南アフリカ政府関係者が岩渕薬品の海ぶどう養殖を視察!地域発の陸上養殖技術に注目!

医薬品卸やまちづくり事業を展開する岩渕薬品株式会社は、千葉県内で実施するコンテナ型陸上養殖による海ぶどう栽培において、南アフリカ共和国農務省の関係者による視察を受けました。

持続可能な食料供給の解決策として注目されるこの養殖技術は、同国の国家開発計画(NDP 2030)や大統領プロジェクト「オペレーション・パキサ」の取り組みに資する技術として評価されています。

閉鎖循環式陸上養殖に国際的関心

岩渕薬品株式会社は、2024年よりコンテナ型の陸上養殖施設において海ぶどうの栽培に取り組んでいます。同施設では、三重県志摩市の株式会社養殖屋が開発した閉鎖循環式養殖システムを採用しており、同技術はゼブラファーム株式会社との共同研究・生産販売の枠組みで展開されています。

今回の視察は、ゼブラファームに対して南アフリカ共和国農務省が視察を要請し実現したもので、養殖方法や施設運用、コスト、現地での応用可能性について詳細な説明と見学が行われました。

視察には、同省の国際貿易促進課や検査検疫部の幹部、また駐日南アフリカ共和国大使館の関係者が出席し、南ア国内での実装の可能性を見据えた議論が交わされました。特に閉鎖型で移動可能なコンテナ養殖という特徴が、内陸部や水資源の乏しい地域でも食料供給が可能である点に注目が集まりました。

南アの食料政策と「オペレーション・パキサ」

南アフリカ共和国では、慢性的な干ばつや地理的制約により、農業・水産業の再構築が急務とされています。政府は2030年を見据えた国家開発計画(NDP 2030)のもとで、農業の持続可能な成長を図りつつ、農産品加工や食料自給体制の強化を目指しています。

特に「オペレーション・パキサ」と呼ばれる大統領主導の国家プロジェクトでは、内陸部や山岳地帯における食料生産拠点の分散配置と、民間セクターとの連携によるイノベーションの導入が重視されています。

今回の視察で紹介されたコンテナ型陸上養殖は、移動・設置が柔軟で、地域に直接食料を供給する手段として大きな可能性を持っています。

また、自然環境への負荷が少ない循環式の水利用や、都市部に近接した設置が可能な点も、同国の開発方針と合致するものです。視察団からは、国内導入に向けた実証や技術移転の可能性について、今後の連携を視野に入れた前向きな意見が寄せられました。

福祉と環境を融合したまちづくり事業

岩渕薬品では、海ぶどうの養殖事業を単なる新規事業として捉えるのではなく、地域課題に向き合う「まちづくり事業」の一環として位置づけています。コンテナ型施設では、水温・水質・光量などを沖縄の海に近づけた精密な環境制御により、安定的かつ高品質な海ぶどうの生産が可能となっています。

同社はこれまでにも、2019年から障がい者の農園型就労支援に取り組んできており、本養殖施設においても障がい者がメンテナンスや収穫、梱包作業を担う形での雇用創出を計画しています。

さらに今後は、企業・自治体・地域住民が一体となって社会課題に取り組む「コレクティブインパクト」の実現を掲げ、医薬品事業で培ったネットワークを活用しながら、医療・福祉・環境・教育など多分野にわたる連携型の社会インフラづくりを推進していく方針です。

同社は「100年企業」として、地域と共に成長し続けることを目指しています。


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