総合塗料メーカー大手の関西ペイントが、アフリカの北部に位置するモロッコに自動車用塗料の工場を建設することを、4月13日に日本経済新聞が明らかにしました。同社がモロッコに製造拠点を構えるのは初めてです。2017年2月の稼働を目指しており、フランスのルノーなどに納入する予定です。
ヨーロッパ自動車メーカとの取引拡大!モロッコに新工場設立!
新工場はモロッコの北部に位置する地中海沿いの主要都市タンジール市郊外に建設されます。モロッコでは欧州の自動車メーカーの進出が相次いでおり、工場建設によって海外での安定供給体制を整えることで、取引拡大を目指しています。年産数万台分程度の塗料生産から始める予定で、投資額は約5億円の見込みだと報じられています。
モロッコ政府は自動車産業の誘致を積極的に行なっており、フランスのPSAグループも19年の進出も予定されています。モロッコは地理的に欧州に近いだけでなく、人件費が安く、また治安も比較的良いため、欧州の自動車大手はモロッコを周辺のアフリカ諸国などへの輸出拠点として位置づけています。関西ペイントも成長性が高いと考え、生産体制を整えます。
新興国へ積極展開!アフリカでの売上は4年で2倍に!
国内需要が伸び悩む中、関西ペイントは新興国での事業展開を強化しています。インドの自動車用塗料では50%を超えるシェアを占めており、また経済制裁が解除された中東のイランにも再進出する予定です。アフリカ事業では、2011年には南アフリカの塗料大手を買収しています。2016年3月期の業績予想でアフリカ地域の売上高は425億円を見込んでおり、4年前に比べ約2倍となっています。
新工場建設が報じられた13日には、株価が前日比3.6%高となり、北アフリカのモロッコに新たな拠点を構えることによる業績拡大に大きな期待が寄せられています。
参照元:日本経済新聞
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