はじめまして!2025年8月からケニア・マサイマラで、Wildlife Venturesのインターンをしながらフィールドワークをしている大学4年生のゆうはです。大学では言語学、文化人類学、コミュニケーション学を専攻しています。
今回は、私がなぜケニアに来たのか、なぜフィールドワークをやりたいと思ったのか、そして実際にマサイマラで暮らすなかで変わった考えについて書いてみたいと思います。
マサイマラってどこ?
世界有数のサファリで知られるケニア南西部のサバンナ地帯。野生動物の宝庫で、観光も保全もとても身近に感じられる場所です。
なぜケニアなのか?
最初にケニアに関心を持ったのは、高校の授業で象牙取引について調べたことがきっかけでした。生物多様性や絶滅危惧種に関心があった私は、牙のためだけにゾウが殺されてしまう現実を「かわいそうだ、守らなくては」と思ったのです。
2年前には、ケニアのナクル湖付近にてキリン保護ボランティアに参加しました。そこで出会った「地平線まで続く景色」に圧倒され、「必ずまたここに戻ってきたい」と思ったことが、今につながっています。
なぜフィールドワークをしたいと思ったのか
大学の授業で紹介されたアナツィンの『摩擦』という本を読んだことが大きな転機でした。そこには「自然を守るべき」という感覚自体が、ヨーロッパ由来の価値観かもしれない、と書かれていました。もちろん、自然を守ることが悪いことだ、という訳ではなく、我々が普遍的だと思っているものに関する、普遍ではない可能性について書いてあったのです。
それまでの私は「象牙のために動物を殺すなんてかわいそう」「すみかを奪われるなんてひどい」と考えていました。また、守ることが正義であり、それに異を唱える余地はないと思っていました。
摩擦を読んだ時、私の中での“当たり前”が揺さぶられ、それと同時にこの当たり前が覆される感覚、面白い、と思いました。そして「自分が普遍的だと思っている感覚も、他の文化から見ればひとつのローカルな価値観に過ぎないのかもしれない」と気づいたとき、文化人類学の面白さを実感しました。
そんな中で大学に来ていたゲストスピーカーの先生が、学生時代に4ヶ月フィールドワークをしていたという話を聞いたことがきっかけになり、短期間でもいいから現地に入り込んで参与観察をして、自分の“当たり前”がどう崩れていくのかを体感したいと考えるようになったのです。
インターンでは何をしているのか
インターン活動では主にSNS運営を担当しています。Instagramのリールやストーリーで、ツアーや現地の活動を発信するのが主な仕事です。
ただし、フルタイムではなく「フィールドワークと並行して活動する」という特殊な形で受け入れていただきました。そのため一日の活動時間は少なめ。その分、村を自由に歩き、地元の人に話を聞きに行ける環境に恵まれました。女子一人でも安全に歩ける環境が整っていることもありがたい点です。
マサイマラに来て変わったこと
マサイマラで暮らしてみて強く実感したのは、時間感覚・適当加減・田舎度など色々とありますが、1つ挙げるとすれば人と動物が「愛護」や「守る」という言葉では表しきれない、“利用し合う関係”にあるということです。犬や猫、家畜の存在はその象徴でした。
実際に、 マサイの多くの家では、ペットとしてではなく、犬は畑や家畜を野生動物から守る番犬として、猫はねずみを駆除する存在として飼われています。家畜を屠殺するのも日常の一部であり、動物は暮らしに組み込まれた存在でした。
また、マサイの人たちは牧畜や畑作を中心にして生きています。人は生業や資産を牛やヤギに依存し、牛やヤギもまた人間の手で放牧されるからこそ生きられる。人間も犬猫を使役するけれど、犬も猫も人間と暮らすから生きていける。そこには守るといういわば少し距離のある上から下への言葉を超えた、支え合う関係に見えて、私はそれがすごく綺麗なものに見えたのです。
ここまで言うのは普段動物と接しないからこその意見なのかもしれません。でも地元の人が同じものを見ても当たり前すぎて気づかないこと。普段違うところにいる私だから気づくことができる、こうした文化人類学の新たな面白さも見つけることができています。
クラウドファンディングへの感謝
そして最後に。この活動は、クラウドファンディングで支援してくださった方々のおかげで成り立っています。
「もう一度ケニアに行く」と決めたとき、ただ滞在するだけではなく、この保護区の実情を伝えたい、環境やアフリカの分野でより多くの人と協働できるようになりたい――そんな思いからクラファンを立ち上げました。
今回も、以前から読んでいたアクセルアフリカさんの記事を書く機会をいただき、とても嬉しく思っています。これからも「応援して良かった」「応援したい」と思っていただけるよう、マサイや保護区のことを一次情報として発信していきたいと思います。どうぞ応援よろしくお願いします!
- クラウドファンディングページ:camp-fire.jp/projects/855119/view


















