ケニアはサブサハラ以南アフリカにおいて、高い経済成長率を誇る国の1つです。 都市部では高層ビルが立ち並び、スマホを持つ人々も増えています。

一方で、日本においてケニアと言えば”治安が悪い”とイメージがどうしてもつきまといます。それは日本に入ってくる情報の多くがテロに関するニュースだからです。

今回はなぜケニアでテロが起こるのか、またそれ以外にケニアの治安を悪化させているのは原因は何なのかについて、3つの視点からご説明します。全て導入編として触りの部分を書いていますので、気になるところは是非深堀りしてみてください。


1)経済成長が生んだ代償。”貧富の格差”

d (3)

Photo credit: newbeatphoto via Visual Hunt / CC BY

ケニアは凄まじいスピードで成長を続けており、現在ではサブサハラ以南アフリカにおいて第3位の経済規模を誇る国となりました。首都ナイロビや港町モンバサなどの都市部は高層ビルの建設ラッシュに沸いています。

一方で、地方には成長の恩恵が届いていません。それどころか物価が緩やかに上がり続けているため、生活は苦しくなる傾向にあります。その様な地方では暮らせなくなった貧しい人々が仕事を求めて、都市に上京しています。実際、ナイロビにはアフリカ最大規模のキベラスラムを始め、複数のスラムが点在しています。

もちろんナイロビに上京しただけで、仕事が手に入るわけではありません。それでも生きていかなければならない人々は、スリや窃盗などの犯罪に手を染めてしまいます。ナイロビ市内では、プロのスリ集団が存在しているため、どんな場所でも警戒を緩めてはいけません。


2)多民族国家ゆえの課題。”民族間で起こる対立”

d (4)

Photo credit: jeaneeem via Visualhunt / CC BY-NC-ND

ケニアは42以上の部族から構成された多民族国家です。有名なところではマサイ族が思い浮かぶかもしれません。それぞれ民族が暮らす地域は分かれていますが、都市部などでは当然ながら混在して生活しています。普段はとても平和で、民族間での争いごとは起きません。

ただ他民族への意識が高まる時期があります。それが”大統領選挙“です。2007年に行われた大統領選挙では、”ナイロビ危機”と呼ばれる1,000人以上の死者を出した悲劇が起きてしまいました。選挙の不正を巡って、それぞれの大統領候補者を支持する民族同士で争いが起こったのです。直近で行われた2013年の大統領選挙では、当時の反省から厳戒態勢が惹かれたため、何事もなく平和に終わっています。

現在では、表立って民族同士で争うようなことは見受けられません。ただ大統領選挙や政治関係の大規模イベントなどが開催される時には、大規模なデモも同時に行われる傾向にあり、注意を怠らないほうがよいです。


3)相次ぐ大規模テロ。”アル・シャバーブとの戦い”

d (6)

Photo credit: Albany Associates via VisualHunt.com / CC BY-NC-ND

ケニアで最も治安が悪化している原因が、相次ぐテロの脅威です。2013年には大型ショッピングモール”ウエストゲート”が襲撃され、外国人を含む約70名が殺害されました。また2015年4月にはガリッサ大学が襲撃され、約140名の大学生が殺害されました。どちらも日本のメディアで報道されたので、覚えのある方も多いかも知れません。

これらのテロの犯行声明を出したのが、隣国のソマリア南部を拠点とするイスラム過激派組織”アルシャバブ”です。ケニアとアルシャバブとの闘いが勃発したのは2011年まで遡ります。ケニア軍はアルシャバブ掃討を掲げ、ソマリアに侵攻しました。2012年にアルシャハブが掌握していた最後の大都市キスマユを包囲することに成功しましたが、その後アルシャバブからの報復攻撃がケニア国内で相次ぐこととなりました。 現在でもソマリアでは暫定政府はあるものの、実質は無政府状態が続いています。いまなお内戦が続くソマリアからケニアへの流れてくる難民の数は約50万人にのぼると言われています。

テロが起きるたびにケニア軍はアルシャバブへの報復攻撃を行っており、解決の糸口は未だ見つかってはいません。ソマリアと国境を接する北東地域やイスラム教徒の多いモンバサなどのインド洋沿岸部では高い頻度でテロが起こっているので、十分な注意が必要です。


さてここまでケニアのネガティブな面ばかりを書いてきましたが、もちろんケニアはそれだけはありません!次回はそんなケニアを安全に歩くための方法をお伝えします!

続きはこちら→最新のケニアの治安事情!ナイロビを安全に楽しむための歩き方講座。

The following two tabs change content below.
凡
アフリカと日本を繋ぐコーディネーター(海外進出支援コンサルタント/Africa Quest.com編集長)として活動。87世代のうどん県民。証券会社を経て、青年海外協力隊としてケニアに渡航。ケニアに雇用を生み出すべく、仲間と共にソーシャルベンチャーを設立し、2年間運営に携わる。その他、国際アドボカシー団体FAVLIC設立会長、任意NPO SignPost共同代表を務める。