株式会社ボーダレス・ジャパンは、アフリカ東部に位置するケニア共和国で野生動物と人間の対立を解決するための養蜂事業を推進するフェローの米田耕太郎氏が新会社「Co-Exist Wildlife Ltd.」を2024年5月に設立したことを発表しました。
この事業では、ゾウの農地被害を防ぐため、ハチを苦手とするゾウの習性を利用した養蜂箱を設置し、さらには、はちみつやミツロウの販売に繋げ、農家の収益増を目指しています。
ケニアで問題となる「ゾウ」の農家への被害!
現在、アフリカ東部に位置するケニア共和国では、多くの農家がゾウによる被害を受けています。
農作物の被害により地元住民の収入が減少し、さらに住民がゾウに襲われるといった人的被害も発生しています。
その一方で、農作物や人間に危害を加えるゾウが地域住民によって年間50頭から120頭ほど射殺されており、個体数が減少しているのが現状です。
このようなゾウと人間の対立はケニアだけでなく、アフリカやアジアの各地でも問題となっています。
Wildlifeが目指す世界とは!
Co-Exist Wildlife Ltd.(Wildlife)では、人と野生動物の軋轢をビジネスを通して解決し、環境保全と社会経済が両立する世界を目指しています。
人と野生動物の軋轢を解決する方法として取り組まれているのが、養蜂事業です。
野生動物の中でも特にゾウが本能的に苦手とする蜂を利用し、ゾウが農地に侵入して作物や人々へ被害をもたらすことを防ぐことができます。
この養蜂事業を通して、ゾウの被害問題を解決だけでなく農家を支援するビジネスモデルも最終的に目指しています。
養蜂事業の仕組み!
まずはゾウの侵入を防ぐため、養蜂箱を等間隔に配置する「養蜂箱フェンス」を作ります。
ゾウの皮膚は薄く、ハチに刺されることを避けるため、このフェンスを恐れます。
これにより農作物被害が減少し、住民は安定した農作物収穫ができ、ハチミツやハチ毒の副産物を販売できます。
さらに、地域住民からのゾウへの攻撃が減少し、ゾウの個体数も増加する見込みです。
最終的に、住民参加型のビジネスモデルを採用し、持続可能な解決策を地域と共に実現します。
Wildlife代表、米田耕太郎氏の意気込み!
5年前に初めてアフリカに渡航してから、自分の好きと情熱を追求しつつ、社会課題解決にも貢献できる道をずっと模索してきました。
ニッチな分野ではありますが、ゾウと人間の対立の解決はケニアでは大きな社会課題と言われ、近年の人口増加や経済発展と合わせて課題解決が急がれています。
一緒に頑張ってくれるメンバーや、応援していただいている皆さんに感謝しつつ、5年以内にケニア国内での養蜂箱フェンス実装を終え、他のアフリカ・アジア諸国にも事業を広めることを目標に、日々努力してまいります。