中央アフリカ共和国の首都バンギが流血の惨事に陥ってから5年が経過した今、危機が激化しているにも関わらず、国際社会からの資金援助や関心は、極めて低いままです。 ユニセフ(国連児童基金)は、中央アフリカの現状を伝えるべく、報告書『中央アフリカ共和国の危機:顧みられない緊急事態の中で、支援と保護、そして未来を求める子どもたち』を2018年11月30日に発表しました。

中央アフリカの現状

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アフリカ中央部に位置する中央アフリカ共和国は、人口は459万人で、独立以来クーデターが多発するなど政情が不安定な国ですが、2013年3月のクーデターで状況はさらに悪化しています。クーデターを主導した反政府同盟「セレカ」が事実上の新政府となり、初のイスラム政権が誕生しました。

この中央アフリカの危機は、ダイヤモンドや金、ウランを豊富に含む大地を巡る十数の武装グループの対立によって引き起こされています。武装グループはしばしば、互いの組織ではなく市民を標的にし、保健施設や教育施設、そこに従事する人々、モスクや教会、避難民の人々が身を寄せる避難所をも攻撃します。

恐怖におびえた家族は家を追われています。2018年9月末時点で、中央アフリカ国内には64万3,000人の国内避難民が存在し、その少なくとも半数は子どもです。また57万3,000人以上が、周辺の国々へ逃れ難民となりました。保健ケアや安全な水、衛生施設へのアクセスが非常に限られる状況と相まって、強制的な避難生活は子どもの栄養危機につながります。過去2年間で調査が行われた18の国内避難民の居住地区のうち16地区で、重度の急性栄養不良率が緊急事態を示す基準値を超えていました。森の中に逃げ込まざるを得なかった子どもたちの状況は、より一層切迫したものでした。

この危機は、開発における緊急事態の中で広がっています。中央アフリカは、乳児死亡率と妊産婦死亡率が世界で2番目に高く、初等教育を何とか修了できる子どもは5人中3人に満たず、人口のほぼ半数は安全な水を手に入れることができません。平均余命、収入、教育の進展の度合いを測定する国連の人間開発指数では、189カ国中188位に位置します。

アフリカの“見捨てられた”危機の状況が明らかに

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写真:武装グループから解放された15歳のゲルトレードさん(右)とペラジーさん(両方とも仮名)。(2017年11月撮影) © UNICEF_UN0149417_Sokhin

ユニセフ(国連児童基金)は、中央アフリカの現状を伝えるべく、報告書『中央アフリカ共和国の危機:顧みられない緊急事態の中で、支援と保護、そして未来を求める子どもたち(原題:Crisis in the Central African Republic: In a neglected emergency, children need aid, protection – and a future)』を2018年11月30日に発表しました。

報告書は2016年から30万人増加し、現在150万人の子どもたちが人道支援を必要としていることを明らかにしました。中央アフリカは2018年の世界飢餓指数は119カ国中最下位であり、極めて深刻な栄養危機が生じています。4万3,000人以上の5歳未満の子どもたちが、2019年には重度の急性栄養不良で命を落とす極めて高いリスクに直面しています。

また子どもの4人に1人が、難民もしくは国内避難民です。数千人の子どもたちが武装グループの中に捕らわれており、さらに数千人が性的暴力を受けています。実質的にはすべての子どもが、国の5分の4を支配する武装グループからの保護を必要としています。2017年には年間で67件だった人道支援従事者への攻撃が、2018年はわずか8カ月半の間に294件と4倍以上に増加しています。

ユニセフ中央アフリカ事務所代表のクリスティーン・ムヒガナ氏は、「この危機は、世界でもっとも貧しく、もっとも開発が遅れ、そしてもっとも人道支援従事者とって危険な国のひとつで起きています。中央アフリカの子どもたちの状況は、非常に深刻です。今、そしてこれから先も継続的に彼らに目を向け、手を差し伸べることが必要です」と述べています。


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