住友商事とIHIは2月17日、アフリカ南部に位置するモザンビーク共和国の国営電力公社(EDM)との間で、首都マプト郊外におけるガス焚き火力発電所の建設工事を受注したと発表しました。受注額は約170億円で、JICA(国際協力機構)の円借款によって実施されます。発電所は2016年に着工し、2018年の引き渡しを予定しています。
首都マプト郊外における火力発電所建設プロジェクトとは。
「マプト・ガス複合式火力発電所整備事業」は172億6,900万円を限度とする円借款貸付契約として、モザンビーク政府との間で調印されました。モザンビークでは初となるガス焚き複合火力発電所は、首都マプトの郊外に建設され、国内電力需要の約2割相当の電力供給を担う予定です。本発電所では住友商事がコンソーシアムリーダーとしてEDMとの折衝窓口や調整役を担い、IHIが主要機器であるガスタービンや発電機を供給し発電所全体を取りまとめます。
豊富な資源を保有し、発展を続けるモザンビークの電力事情とは。
モザンビークは天然ガスや石炭など豊富な天然資源産出国として、高い成長率(年率7~8%)で経済成長を続けています。それに伴い、電力需要も年率10パーセントと非常に高い割合で伸びています。モザンビークは南北2,000キロメートルに亘る広大な国土を有していますが、主要発電所は北西部にある水力発電所のみです。電力系統の整備状況から南部では直接北西部から電力供給を受けることができず、南アフリカからの輸入により電力需要の大半を賄っています。その状況下、人口約120万人を擁する首都マプト近郊の電力需要は、今後5年間で平均約18%で増加することが予測されており、発電所建設が喫緊の課題となっています。
同時に、今後開発される大規模ガス田によりガス火力発電所が主要電源となることが予想される中、ガス火力発電所の運営ノウハウが求められています。本発電所を通じ、ガス火力発電所の運営ノウハウの技術指導も実施します。本発電所は、日本政府の推進する「質の高いインフラパートナーシップ」に資する案件として、日本の資金、技術を活用してモザンビークの基礎インフラ整備の一翼を担います。
高い技術と実績を持つ住友商事とIHIがアフリカ市場で担う役割とは。
住友商事が各国で取り組んできた発電所建設(EPC: Engineering Procurement and Construction)の総容量は50,000メガワットを超えており、今後、豊富な契約履行実績と経験を基に、世界規模での電力インフラ関連ビジネスを拡充し、インフラ整備を通じて各国の経済発展への寄与を目指しています。
IHIは日本および東南アジアを中心とした海外に多数のガスタービン、石炭焚きボイラ、LNG関連施設の納入実績があります。ここで得られた技術ノウハウを生かして高効率・高品質で環境性能にも優れたエネルギーシステムを今後アフリカ市場にも提供し、同地域の経済発展に伴う、エネルギーの安定供給に貢献を図っていきます。
写真元:IHI(プレスリリース)
引用元:PR TIMES(プレスリリース)
参照元;JICA(ニュースリリース)