白人による黒人差別が引き起こした事件は現在でもおきています。
肌の色だけで殺されてしまうなんて、
ボツワナにいるととてもじゃないけど想像できません。

ボツワナ共和国 初代大統領セレツ・カーマの奥さん、
初代ファーストレディ、ルス・ウィリアムズはイギリス出身の白人女性でした。

建国当初からボツワナは人種、国境、文化を越えて行く事を選び
それが発展につながっていった好例です。
まさに、アフリカの優等生とよばれるにふさわしい国なんです。

初代大統領とその夫人の物語が映画になり もうすぐ公開されます!

ロザムンド・パイク主演、実話にもとづいたアフリカ人王子とイギリス人女性の恋を描く『A United Kingdom』

人種:アパルトヘイト

隣国の南アフリカでは白人と非白人を分け、非白人の権利を制限していました。
肌の色によって住む場所も給料も強制的に政府が決めていた政策です。
1948年からはじまったこの政策は90年代まで続き、
今も南アフリカに多くの問題の原因になっていると思います。

dsc_0452
2014年 南アフリカ ケープタウン上空から撮影。道路一本でバラックの家と高級住宅街がはっきりとわかれている。

国境:宗主国と植民地

ファーストレディの出身国イギリスはボツワナの宗主国。
支配する側とされる側でした。
この結婚にイギリス側も圧力をかけてきます。

文化の壁:長老に認められないとダメ

ボツワナのトラディショナル・チーフのことをコシといいます。
セレツェ・カーマはもともと、コシの家系の出身、つまり王子だったんですね。
既に4歳のときにチーフとなっていました。
なので当然、嫁問題はみんなの問題、長老に許可をとらないと結婚できないんです。

ボツワナでは、このコタ(kgotla)という集会所でコシや村人、長老が話し合いをする。写真はフクンチのコタ。
ボツワナでは、このコタ(kgotla)という集会所でコシや村人、長老が話し合いをする。写真はフクンチのコタ。

国旗、国獣、国章

ボツワナの国旗は雨を意味する水色(降雨量が少ない地域なので)、
中央のストライプは黒人と白人の融和を示しています。

flag_of_botswana

また、この人種融和をかかげる意味で国獣は白と黒の模様のシマウマ、
国章もシマウマを起用しています。

animal_photo03_05

ボツワナの国章
ボツワナの国章

懐柔と話し合い以外の選択肢がない人々

初代大統領 銅像(ハボロネ市)
初代大統領 銅像(ハボロネ市)

もともと、初代大統領は懐柔していくことが得意な
ボツワナらしい政治家だったのでしょう。
だから最も難しい時代に難しい立場にいながら国際結婚ができた。
そして、自分以外の他民族も懐柔した結果、ボツワナという一つの国がまとまります。

何より、その人を初代大統領に選ぶ事ができたのは
ボツワナ人の気質によるものでは?

ボツワナ人は急進的な人より 温和で話し合いを大事にする人を
良しとする傾向にあるように感じます。

独立後も必要であれば外国人、白人を政府職に登用し続け、
ダイヤモンドが見つかれば、南アのデビアスと契約を結び
富は全て公共福祉に分配する。

全てにおいて「戦わない」という選択をした、結果、
中所得国、アフリカでは希有な平和な国となることができました。

ボツワナ独立50周年を向かえる平和の歴史は
この初代大統領によって築かれたと言っても過言ではないと思います。

争う事がいかに深い傷跡となって次の世代をも苦しめるか、
逆に、争わない事がもたらす平和と発展、幸福を
このボツワナの物語は教えてくれると思います。

ぜひぜひ、映画館で見てくださいね!!!!

 

余談ですが、当初公開予定はボツワナの独立記念日あたりだったのに
どんどん遅れているところがちょっとボツワナっぽいですね!


参考になるサイトです。多分、ネタバレありです。

The following two tabs change content below.
Hiromi Ame
グラフィックデザイナー。東京の広告制作会社2社に合計約8年の勤務を経て、2014年7月より青年海外協力隊で南部アフリカのボツワナに派遣、国立博物館の制作部にデザイナーとして配属されています。アフリカにいながらカンボジア(東南アジア)のNGO団体の広報活動の仕事もしていたりします。他国ボランティアからデザインの仕事も引き受けていますので、お気軽に連絡ください。