国際協力機構(JICA)と環境省は、アフリカ24か国、国連環境計画(UNEP)、国際連合人間居住計画(UN-HABITAT)、横浜市らとともに、「アフリカのきれいな街プラットフォーム」を2017年4月27日、モザンビークの首都マプトにおいて設立しました。第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)のフォローアップの一環として、2030年にアフリカで「きれいな街と健康な暮らし」の実現を目指します。
経済成長と人口増加で、都市のゴミ問題が課題に!
アフリカの都市部では、経済成長と急激な人口増加に伴いごみ問題が深刻化しています。持続的な成長を続けながら、人々が健康な暮らしを送れるようにするには、都市の生活環境の改善に向けた取り組みは喫緊の課題となっています。
国や都市の状況に応じて適切な廃棄物の収集・運搬、中間処理・最終処分を行うことで、アフリカの街をきれいにすることは、公衆衛生の向上や環境の改善だけでなく、投資や観光の促進など経済にとってもプラスの影響与えることが期待されています。
また、2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)においても、初めて廃棄物処理に関する国際的な目標が設定されました。目標11の「包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」を目指して、世界各国が課題解決を求められています。
TICAD6にて、プラットフォームの必要性を再認識!
2016年8月にケニアの首都ナイロビで開催された第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)のフォローアップの一環として、「アフリカのきれいな街プラットフォーム」が設立されました。SDGsの目標年である2030年に「きれいな街と健康な暮らし」がアフリカで実現することを目指します。具体的にはアフリカの都市の廃棄物に関する各国の知見や経験の共有、官民の資金動員促進、SDGsの推進を目的として、研修やセミナー、データ収集整備、情報発信などの活動を行う予定です。
JICAは、TICAD VIのサイドイベントとして、「アフリカ廃棄物管理セミナー~アフリカのきれいな街と健康な暮らしのために~廃棄物分野のSDGs達成に向けたキャパシティ・デベロップメント」をナイロビ郡、UNEP、UN-HABITAT、環境省との共催により開催しました。
このセミナーでは、アフリカの都市部の劣悪な衛生環境の改善のために、人々の生活の身近な問題である廃棄物の適正管理が急務であることが改めて共有されました。またアフリカにおける廃棄物管理の政策的優先度向上と、各国の連携と情報共有を促進するプラットフォームの必要性が再確認されました。閉会に当たっては、各国政府とパートナー機関が一致団結してアフリカのごみ問題解決への協力を促進するというメッセージが宣言されました。
24カ国が宣言!アフリカのきれいな街プラットフォームを設立!
2017年4月25日~27日、モザンビークの首都マプトにてアフリカ各国のネットワーキング促進のためのプラットフォームの設立準備会合が開催され、「アフリカのきれいな街プラットフォーム」設立に関するマプト宣言が発表されました。
設立式には、モザンビークのセルソ・イスマイル・コレイア土地・環境・農村開発大臣、デビッド・シマンゴ マプト市長、日本の伊藤忠彦環境副大臣、山内邦裕JICA地球環境部長が参列し、プラットフォームを通じたアフリカのごみ問題解決支援への決意を表明しました。
アフリカ各国からは、ボツワナ、ブルキナファソ、カメルーン、コートジボワール、コンゴ民主共和国、ジブチ、エジプト、エチオピア、ガーナ、ケニア、マダガスカル、モロッコ、マラウイ、モザンビーク、ナミビア、ニジェール、ナイジェリア、コンゴ共和国、セネガル、南スーダン、スーダン、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエの24カ国が参加しました。
今後、本プラットフォームの下、各国政府とパートナー機関が一致団結して、知見の共有、情報整備、資金動員促進を行い、アフリカのごみ問題解決とSDGs達成への協力を推進します。