大手総合化学メーカーである住友化学は、マラリア対策用の新製品「スミシールド™ 50WG」が世界保健機構(WHO)の認証を取得したと2017年11月6日発表しました。今回、WHOが新たに導入した制度において初めて認証された室内残効性スプレー剤で、2018年以降、国際機関の資金支援などを通じて、マラリアが蔓延するアフリカ各国などに供給される予定です。
住友化学、蚊帳の普及を通じてマラリア対策に貢献!
マラリアは、マラリア原虫に感染した蚊(ハマダラカ)に刺されることにより人に感染する病気です。世界で毎年2億人以上が発症し、約43万人が亡くなっていると言われています。この課題に対して、住友化学は「オリセット®ネット」などの普及を通して、罹患率の大幅な低下に貢献してきました。
「オリセット®ネット」とは、防虫剤を練りこんだポリエチレン製の糸で織られたマラリア予防用の蚊帳です。耐久性に優れ、防虫剤が蚊帳の表面から徐々に染み出し、繰り返し洗濯しても効果が5 年以上持続する点が特長で、経済的かつ効果的にマラリアを媒介する蚊から身を守ることができます。2001年にはWHOから世界で初めて長期残効型防虫蚊帳としての効果が認められ、現在はタンザニアで生産され、アフリカなどで配布されています。
その一方で、サハラ砂漠以南アフリカを中心とした一部地域では、既存殺虫剤に対する抵抗性の発達した蚊の発生が確認されています。
新しい作用性を有するマラリア対策製品がWHOに認証!
住友化学の新たなマラリア対策用室内残効性スプレー剤「スミシールド™ 50WG」が世界保健機構(WHO)の認証を取得しました。室内残効性スプレー剤とは、WHOが推奨する蚊の習性を利用したマラリア対策手段の一つで、薬剤の散布された壁に蚊が留まる際に殺虫剤に触れることで、殺虫効果を示すものです。
「スミシールド™ 50WG」は、WHOが新しく導入したPrequalification制度において初めて認証がされたマラリア対策用殺虫剤となりました。Prequalification制度では、従来よりもさらに高い水準で品質、効能、安全性に基づいて評価されます。本制度は既に医薬品分野では導入されていましたが、感染症を媒介する害虫駆除分野においては今回より導入されました。
「スミシールド™ 50WG」は、WHOが約40年間にわたってマラリア対策用殺虫剤の使用に推奨してきた有効成分とは作用性が異なる有効成分を含有していることから、既存の殺虫剤への抵抗性が発達した蚊に対しても高い効果を発揮します。また、効果が8カ月間持続した試験データもあり、マラリア対策の有効な手段として、国際機関や関係国政府などから期待されています。本剤は、2018年以降、国際機関の資金支援などを通して、マラリアが蔓延するアフリカ各国などに順次供給される予定です。
住友化学は、これまでも「オリセット®ネット」、「オリセット®プラス」や、デング熱やジカ熱対策用の幼虫駆除剤「スミラブ®2MR」などの各種製品を開発し続け、WHOの推薦を取得してきました。今回、これらに「スミシールド™ 50WG」を加えることで、今後もより一層効果的な感染症予防に取り組んでまいります。
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- 記事提供元:住友化学、マラリア対策製品「スミシールド 50WG」がWHOの認証を取得(ニュースリリース)
- 1st Image Photo credit: Acumen_ via Visualhunt.com / CC BY-NC-ND