中古衣類から見るケニアのファッショントレンド
安い値段が付けられる袋には男性用のネクタイといった需要が低いものが詰められている。カマウさんが主に取り扱うのは女性用衣類が詰められたグレードAやBの衣類で、簡単に売りさばけるという。また、子ども用衣類の需要も高い。
「今のところ、ダメージ加工のジーンズやトップス、テフロン加工のブラウス、中国産の毛皮付きトップス、オーストラリア産のパーカー付きセーターなどが売れ筋だね。オーストラリアの中古衣類は質が良いものばかりで人気が高い。それに中国産のものはサイズがケニア人にちょうどよくて、こちらも人気だね。あんまり大きい衣類は人気がないんだよ。」
中古品の方がより多く流通しているケニアのリテールマーケットにおいて、カマウさんはばっちりトレンドを掴んでいるようだ。
ローカルでグローバル中古衣類の魅力
現地在住の日本人でも、もしかするとギコンバマーケットのことを知っている方は多くないかもしれない。スラムの真ん中に位置し、一部機関では立ち入り禁止区画にあたっているため、足が伸びにくいのだ。
しかし、ケニアのローカル市場では意外なことに各国から輸入された商品が数多く見られ、実にグローバルな面も併せ持っている。また、こうしたローカル市場は物流における世界からケニアの玄関口であると同時に、ナイロビから地方の出発口でもある。
また中間層以下の人口が圧倒的多数のケニアにおいて、こうしたインフォーマル市場の情報はケニア経済の新たな一面を見せてくれる。ローカル市場にみられるグローバル性は今後ケニアに参入する企業や起業家にとって一つの鍵となるかもしれない。
- 記事提供元:服は世界を旅する、ケニア最大の中古衣類マーケット『ギコンバ』に見るグローカル性|Medium
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