あなたは差別を受けたことがありますか?〜南アフリカ ヨハネスブルグの街角から〜

こんにちは。「他人事から自分事へ」をテーマにクリエイターが社会問題をわかりやすく伝えるメディア”チャリツモ”でライターをしている、ばんです。

現在南アフリカのヨハネスブルグに滞在しています。多様な人々が暮らす南アフリカですが、ここに住む人々をより深く知るために、そして、今後より一層、自分たちと“異なる”隣人が増えていくだろう日本に住む人の参考になればと、街行く人にインタビューをしてみました。

「あなたは南アフリカで差別にあったことがありますか?」

この一つの質問から始まるインタビュー。ここ、南アフリカで出会った人々のストーリーをお伝えします。

南アフリカという国とは!?

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南アフリカといえば、過去にアパルトヘイトがあったことで有名ですが、ヨーロッパ系の白人、アフリカ系の黒人に限らず、インド系やアラブ系の移民も多くいます。

いわゆる”白人”といわれる人の中にも、英語を母語とする人と、オランダ語やドイツ語に近いアフリカーンス語を母語とするする人がいり、”黒人”の人でも、南アフリカには多くの部族がおり、いくつもの言葉があります。

公用語はなんと11個もあります。

南アフリカはアフリカで最も経済発展している国のひとつなので、近隣のアフリカ諸国から、進学や就業を目的に人が移住してきています。

また、イギリスの植民地時代に、南アジアから大量の人が労働力として連れられてきたため、インド系の移民も多いです。南アフリカ第3の都市、ダーバンは、インド国外で最もインド人が多い街なのだそう。

また、最も多くの人がキリスト教を信仰していますが、イスラム教徒やユダヤ教徒、ヒンドゥー教徒も多く住んでいます。

田舎に行くとまた雰囲気が違うと思いますが、私が今滞在しているヨハネスブルグでは、アジア系の人も多く見かけます。

多様性に富んだ国で、何を思って暮らしているのだろう…

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そんな多様性に富んだ南アフリカ。ここに来てから、何人か聞かれたことはほとんどなく、カフェやレストランでは、肌の色に関係なく、一つのテーブルを囲んでいる姿を見ることができます。

カフェで作業をしていると

「ね、Wifiおそくない?」
「何のドリンク頼んだの?おいしそう」
「え!その絵すごいね?イラストレーターでもやってるの?」
「そのカメラいいね、どこで買ったの?」

と、隣に座った人と雑談がはじまることもしばしば。

一見、いちいち人種なんか気にせず、共生しているように見えます。しかし、ある日、ここに住む人と話したときに聞いた言葉が、心に刺さりました。

「南アフリカに住んでいる人なら、だれもが一度は差別にあったことがあるんじゃないかな」

自分と違う文化をもっている人がすぐ隣に暮らしている、この国に住む人たちは、何を思って生きているのだろう・・・。

ここに住む人々をより深く知るために、そして、今後より一層、自分たちと“異なる”隣人が増えていくだろう日本に住む人の参考になればと、街行く人にインタビューをしてみました。

Q. あなたは南アフリカで差別にあったことがありますか?

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  • 街行く人1: Keolebogile
  • 出会った場所:ヨハネスブルグ、Rosebank

「たくさんある。特に黒人や女性は経験があると思う。

特にジェンダーに関しては、社会的に「こうあるべき」という期待があるよね。女性はこう、男性はこうあるべき、という感じに。私は同性愛者だから、そういったことによく直面する。

南アフリカは、いろんな点で発展してきてはいるけれど、ジェンダーに関しては、まだ80年代と変わらない考えをもっている人が多いじゃないかな。

私はメディア業界で働いているけれど、人々がバイアスやステレオタイプをもっていると感じることがよくある。

何でそういうことが起こるのか。単に無関心が原因じゃないかな。世の中に問題はたくさんあるのに、注意を向けない人がすごく多いと思う。」

課題は「無関心」(編集後記)

ヨハネスブルグの中心部、小綺麗なモールがある商業地であるローズバングのカフェで出会った女性。カメラとパソコンをテーブルに置いて作業をしていたところ、カメラの話に。フリーランスで映像制作をしている彼女。男性の多いメディア業界で、女性として、同性愛者として、日々疑問をもって生きていると言います。

南アフリカはアフリカ大陸で唯一同性婚が認められている(2006年より)一方で、2018年に辞任した前大統領は一夫多妻制を今でも行っており、ジェンダーに関する考え方は、人によって様々です。

「無関心」が問題だという彼女。まずは多様な考え方を知ることが大切、という考えに強く共感しました。黒人・女性・同性愛者として、メディアを通して世界に何を訴えかけているのでしょうか。インタビューを通して、映像を通して社会に発信する、彼女の強さを感じました。

チャリツモ

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