農業は実はお金になるビジネス!

現在運営されているオンラインショップ「Verdura」では100種類を超える野菜や果物を扱っている。玉ねぎやジャガイモといったケニアでよく食べられるものから、桃やブラックパッションフルーツ、ハーブ類といったあまりお目にかかれないものまで取り扱っている。

オンラインショップの狙いは店まで直接出向く手間を省いて廃棄食品を減らすためだが、オンライン購入に不安を持つ顧客はキリマニにある小売店で新鮮な商品を直接購入できる。また、5,000万ケニアシリング(約5,500万円)を投じてビニールハウス事業を拡大することでサプライヤーを増やし、オンラインショップ事業は55人の従業員を雇って運営体制を強化している。

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Verduraのオンラインショップ。マーケット価格と比較して安い訳ではないが、珍しい食材も扱っているため一見の価値がある。©Verdura Groceries Limited

現在ピーター氏が心配する問題はケニアの気候変動だ。近年では干ばつや雨量が一定でなく、栽培に必要な水を十分に確保できない事例も目立つ。しかし、同氏はケニアの農業を変えるという意気込みを次の様に語る。

「農村にいて土地も持っている若者がホワイトカラーの仕事を得るために都市までやってきています。多くの若者が農業はお年寄りで学歴のないものが行う仕事だと勘違いしているのです。私たちの事業によって、農業は実はお金になるビジネスだということを示したいですね」

現在ケニアの小売り市場の主役は大手チェーンスーパーマーケットやインフォーマルマーケットの小売り店だ。ここに新たに直販店が加わることで、市場はさらに盛り上がるだろう。競争が激しくなっている直販事業でゴールデンスケープグループの囲い込み戦略は他社に真似できない一手への布石となり得る。同グループの新たな動きに注目していきたい。

 

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長谷川 将士

長谷川 将士

株式会社グラスルーツウォーカーズ代表取締役CEO
二十歳からケニアでフィールドワークを続け、大学院時代に行った調査が共著論文として書籍に掲載されています。専門はアフリカ政治経済学(特に紛争及び市民暴力)。最近は中間層論と経済成長論に関心有り。日本のアフリカ報道と学術研究やフィールドワークから見えるアフリカ像が大きく異なることに疑問を抱き、エビデンスに基づいた現場発信型メディアを立ち上げるべく、ケニアで奮闘しています。弊社ジャーナルサイトは平日、正午に更新していますのでご一読ください。