新型コロナの拡大が影響！アフリカ開発銀行、2020年版アフリカ経済見通し補足文書を発表！

09/02/2020

アフリカ開発銀行は2020年版アフリカ経済見通し（African Economic Outlook 2020）の補足資料を2020年7月に発表し、日本語版ハイライトも8月28日に公表しました。

アフリカ開発銀行では、今年は新型コロナウイルス感染症（COVID-19）のパンデミックによる社会・経済的影響から当初の見通しの見直しを行い、アフリカ経済見通しの補足資料を初めて刊行しました。

補足資料では、2020年及び2021年のアフリカの経済成長予測と見通しが修正されています。

2020年版アフリカ経済見通し補足文書を発表！

2020年1月、アフリカ開発銀行は2020年版アフリカ経済見通し（African Economic Outlook 2020）（日本語・英語・フランス語）を発表し、アフリカの堅調な経済成長を予測していました。

アフリカ経済見通し（African Economic Outlook）は、経済情報収集、政策対話、効率的な事業活動のツールとして活用できる、アフリカ開発銀行が作成する最も重要な報告書です。

しかし、その後の新型コロナウイルス感染症（COVID-19）のパンデミックにより、当初予測されていたアフリカの力強い成長予測は見直しを迫られました。

これに伴い7月、アフリカ開発銀行は2020年版アフリカ経済見通し補足資料（African Economic Outlook 2020 Supplement）を発表しました。

またアフリカ開発銀行アジア代表事務所は、2020年版アフリカ経済見通し補足資料の日本語版ハイライトを公表しました。

これらの報告書・資料は下記のリンク先からダウンロードができます。

2020年版アフリカ経済見通し補足文書は、アフリカ各国政府が新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の感染拡大に適切に対処することが出来れば2021年にはアフリカの経済成長は立ち直りうると述べています。

COVID-19の拡大により、想定される最悪のシナリオでは2020年のアフリカの経済成長率はマイナス3.4％になるものの、2021年にはプラス3％成長の見込みです。

COVID-19感染拡大前の本年1月に発表されたアフリカ経済見通しの中では、アフリカの経済成長率は2020年が3.9％、2021年が4.1％と予想されていました。

補足文書の中では、特に、観光業、運輸・交通、娯楽産業が回復に時間を要すると見込まれています。
2017年から2018年にかけて、アフリカの観光業の成長は、世界平均の3.9％に比して、5.6％の成長でした。

マクロ経済政策予測・研究局のハナン・ムルスィー局長によると、想定される最悪のシナリオでは、COVID-19のパンデミック及びその余波により、4,900万人のアフリカの人々が極度の貧困に追い込まれ、3,000万人分の雇用が失われると分析しています。

またアフリカ経済見通し補足文書は、経済活動の再開にあたってアフリカ各国政府は、経済活動の迅速な再開と人々の健康を守ることについてのバランスを注意深く見極めるために、段階的かつ漸進的なアプローチをとることが必要であるとしています。

各国政府は、政府に対する国民からの信頼を築きつつ、一方で、将来のショックに対する脆弱性をもたらす構造的なボトルネックの解消に取り組む必要があるとされています。

アフリカ開発銀行アジア代表事務所及びマクロ経済政策予測・研究局は、2020年9月14日、2020年版アフリカ経済見通し補足資料に関するウェビナーを開催します。

今年は新型コロナウイルス感染症（COVID-19）のパンデミックによる社会・経済的影響から当初の見通しの見直しを行い、アフリカ経済見通しの補足資料を初めて刊行しました。

更に、アフリカの社会・経済状況へのCOVID-19の影響に焦点をあて、安全に経済を再開させ、経済成長を促進させるために実行可能な対応策をとることを推奨しています。

今回のウェビナーはアジアのパートナー向けにCOVID-19下におけるアフリカの最新状況と経済トレンドを紹介し、補足資料に示された分析と提案事項について、当行の専門家とアジアの有識者との間で意見交換を行うことを目的としています。