マズカバンジ!(マラウイ公用語チェワ語で”How are you?”)
マラウイに青年海外協力隊として活動中のさちこです。
今週は、同じ協力隊の方が働く、カムズセントラル病院に見学に行ってきました!
医療は国際援助の中でも一大テーマ。
ですが、アフリカの医療現場について、あまり日本で報道される機会が少ないと思います。。
そこで、今日は実際の病院の様子をお届けします!
カムズセントラル病院とは?
カムズセントラル病院は、マラウイの首都リロングウェの中でも1、2を争うくらい大きな病院!
病院名「カムズセントラル病院」の『カムズ』は、なんとカムズ前大統領の名前からきています。
大都市には病院があり近隣住民や重症患者がきます。
田舎の方に行くと病院はなく、あるのはクリニックばかり。
クリニックには、基本的に医師や看護師など免許従事者はいません。
つまり、カムズセントラル病院はマラウイの中でも大きな主要病院。
日本でいうと東京大学付属病院のような感じでしょう。
病院に潜入!!
これが、病院の入り口!
マラウイは基本的に1階建の建物ばかりなのですが、カムズセントラル病院は4階建!
中には内科、外科から眼科、歯科、婦人科などなど。
火傷科っていう変わり種もあります!(子供をおぶりながらコンロでご飯を作るので、火傷になる子が多いらしい。)
場所によっても、内装は全然違います。
こちらは婦人科!きれい…
ムタリカ大統領婦夫人の支援が入ってるから、こんなに整っているんでしょう。
ナースステーション。日本の病院に似ています。
中はこんな感じ。整理ができていない。
こちらは、小児科の救急。人がいっぱい!
マラリアになった男の子が、お尻に筋肉注射されて泣いてました。
病院に来た子供は最初にこの場所に来て診断を受け、日帰りか泊りかに振り分けられます。
可愛い遊具もついています!子供たちも楽しそうでした。
さすがセントラル!
泊まりになった子供たちは、小児科に来ます。
ベットは満杯。廊下は子供を待つ家族で溢れかえっています。
小児科ならではの、壁に描かれた絵がキュートでした。
栄養失調が大きな原因!!
小児科のお医者さんに話を聞きました。
「栄養失調がほとんどの病気の最初の要因だよ。ここには沢山の栄養失調の子がいる。」
なんと、栄養失調から、マラリアになったり脱水症になったりして、亡くなる子供が多いそうです。
弱って免疫が低くなった体は、汚染された水を飲んで下痢になり脱水症を引き起こしたり、
蚊に刺されてマラリアになったりしやすいのです。
栄養失調が起こる原因は、
お金がなくて十分な肉や魚が食べられない→タンパク質が取れない→栄養失調
栄養失調が引き金となって亡くなる子供がいるという事実が目の前にあることが、本当に衝撃でした。
沢山の子供たちがいてカオスな小児科。
ほかのアフリカと同様に、マラウイでも様々な国連機関が小児科で活躍していました。
看護師や医者、クリニシャン、HSAが簡単に子供の健康状態を測ることができるツールがあるようです。
[栄養状態の測定]
栄養状態を測る方法は3段階!
①体重・身長測定(Weight/Height& Length/Height)
第一段階に、身長と体重を計り、身長に対して体重が適した値になっているか調べます。
・MOYOチャート(WHO)
子供の身長から必要な体重を、簡単に測ることができる表。
中に紙が入っており、子供の身長に合わせると何キロ以上であればよいか直ぐにわかります。
身長はこういった機器を使って計ります。
体重の測り方が面白い。
②上腕周囲の測定(Mid-Upper Arm Circumuference)
上腕周辺の腕の太さと長さで測定します。
・子どもたちの上腕部の太さで栄養状態を測定する『MUACテープ』(UNICEF)
子供の栄養状態を上腕部の太さで測定する上腕周囲径測定帯(MUACテープ)です。
3色に分かれていて、緑なら健康、赤色は危険な状態を表しています。
MUACテープ (ご参考) 伊藤ハム タンザニア支援プロジェクト(2016.3.11)
③体のむくみ調べ(Oedema&Admission Criteria)
足のみのむくみなら継承、顔までむくんでいたら重症という風に、部位で判断するそうです。
[栄養失調の対策]
そのような測定を経て、養失調と判断された子供たちはこんな栄養食品が配られます。
①栄養失調治療用粉ミルク
栄養失調と判断された子供に配るミルク。
状態によって3段階にわけられ、それぞれに適したミルクが配られます。
②ピーナッツ味の重度栄養失調治療食品 RTUF
粉ミルクと同等の栄養価を持つピーナツペーストをベースにしています。
粉ミルクと異なり水が必要なく調合の手間もかからず、そのまま食べられるため、
病院だけでなく、村での日常生活環境の中でも使用されています!
ご参考)BOP ビジネス先行事例 ニュトリセット(2016.3.11)
1 2