沖縄発のアフリカSDGsスタートアップである株式会社SOIKは、コンゴ民主共和国の首都キンシャサにおいて、2021年11月より最大5000名の妊婦を対象とするデジタル産科健診の実証試験を、現地保健省と合同で実施します。
実証試験と並行して、コンゴ民の公的診療所(約8,000施設)に、今回開発した産前パッケージを導入するプロジェクトを形成中です。
コンゴ民主が抱える社会課題!
コンゴ民主共和国は、アフリカ中央部に位置し、人口を8,679万人(2019年、世銀)万人を抱える国です。
コンゴ民主の妊産婦死亡は693/10万、新生児死亡は30/1,000で、日本と比較して数十倍から数百倍の差があります。
この背景には、医療サービスの質・アクセスが悪く、必要な検査が十分に行われていないことがあります。
例えば日本では通常14回行われる産前超音波検査は、アフリカの農村部で3回以上行われているのは、わずか1%です。
沖縄発のアフリカSDGsスタートアップの取り組み!
代表取締役を務める古田国之氏は国際協力機構(JICA)勤務中にコンゴ民主に赴任した際に、現地の社会課題を目の当たりにし、ビジネスでの課題解決を志しました。
沖縄にあるデジタル医療機器スタートアップにてアフリカ市場開拓や製品開発に取り組む中で、日本には他にも途上国で活用できる医療機器を開発している企業があること、またアフリカでは個別の医療機器よりもパッケージ型のソリューションが求められていることに気づきました。
コンゴ民主が抱える課題の解決に挑戦するため、開発途上国で周産期医療活動を展開する(特非)母と子の医療を世界に届ける会およびアフリカ向けIT開発に強みを持つヘルスアンドテック合同会社とともにS-PAQを開発し、活用をスタートさせました。
2021年6月時点で30名以上の妊婦へ活用、今後は現地スタッフと検証を重ねながら、活用の増加を進めていきます。
スマホ完結型の産科健診プラットフォーム!
ターゲットユーザーは、開発途上国の診療所における、看護師・助産師等の医療従事者です。1時間の研修で使い方を習得できるシンプルな操作性が特徴です。
安価かつ電源がないところでも使用できるIoT医療機器を接続し、産科健診をスマホで完結させるプラットフォームです。
産前健診に必要な機材をすべて含んだ「自己完結型」パッケージにすることで、インフラが不足する僻地においても保健サービスの質を向上させることができます。
スマホアプリのナビゲーションに従うことで、国家標準の健診プロセスを終えることができて、結果はデータベースに保存され、共有されます。安価な医療機器を活用して看護師が一人で健診プロセスを行えるため、妊婦さんには医療サービスの質向上、低価格化、診察時間短縮等のメリットが期待されます。
経営革新計画承認で実証事業を開始!
SOIKは、経営革新計画「AI、IoTを活用したデジタル産前検診パッケージ開発による日本の医療機器グローバル展開」を首都キンシャサにおいて現地保健省と合同で実施します。
実施場所は、コンゴ民主の首都キンシャサにおける医療施設で最大6サイトで、実施期間:2021年11月〜同年12月(第1回)および2022年1月〜同年3月(第2回)となります。
またSOIKでは、実証事業において、超音波画像診断装置、胎児モニター、生化学装置、尿分析装置については国内メーカー製品を用いる予定にしております。そのほかの機材等に関して、共同実証事業パートナーを募集しています。
コンゴ民主で政府・ODA予算での導入を進めた後、安価な初期投資を強みとして民間クリニックへ市場展開します。
蓄積された検査データをAIによって学習させ、検査項目・プロセスの改善提案や診断・処置に対する支援情報の提供することで、医療サービスの質向上に向けてさらなる機能向上を図ります。
さらに、妊婦・患者向けアプリの開発、診療費決済プラットフォーム化、生活習慣病・感染症等の他診療科への展開も進める計画にしています。
- 記事提供元:沖縄発のアフリカSDGsスタートアップ、経営革新計画承認で、スマホ完結型の産科健診プラットフォームの実証事業を開始|PR TIMES