ソフトバンクグループ(SBG)傘下のソフトバンクビジョンファンドの2号ファンドは、ナイジェリアのフィンテック・スタートアップOPayに投資を行いました。
ビジョン・ファンドによるアフリカ企業への投資は初めてとなります。
OPayは本ラウンドにおいて4億USドル(約440億円)の新規資金調達しました。また企業価値は20億ドルと評価され、ユニコーン企業の仲間入りを果たしました。
モバイル決済が主力のスタートアップ、OPay!
画像元:OPay HPより
アフリカのスタートアップ『OPay』は、ナイジェリアでモバイル決済を中心として様々なサービスを提供しているフィンテック企業です。
中国の奇虎360傘下であるノルウェーのソフトウェア開発会社であり、インターネット検索エンジンやブラウザで広く知られているOpera社によって2018年に設立されました。
OPayは、お金の送受信、請求書の支払い、食品や食料品の注文を行うためのモバイル決済サービスおよびコンシューマープラットフォームを主に提供しています。
Opera社によると、2020年12月のOPayの月間取引額は4.5倍の20億ドルを超えており、またBloomberg社によると、現在は月間取引量は30億ドルを超えているとも言われています。
OPay社は、ナイジェリアのモバイルマネー事業者間の銀行送金の約80%と、同国の非加盟店のPOS取引の20%を処理していると発表しています。
2020年には国際送金ライセンスも取得しており、WorldRemitとの提携も進めています。
またOPayは、支払いだけでなく、バイク配車サービス(ORide)、食品や食料品のデリバリー(OFood)、その他日常生活における重要なサービスをワンストップで提供するモバイルベースのプラットフォームも展開しています。
銀行口座を持てない人が多数存在しているアフリカ!
OPayが主要なマーケットとして捉えているナイジェリアはアフリカで最も人口の多い国であり、2019年時点で約2億96万人となっています。
一方で銀行口座が持てない人々が大部分を占めており、フィンテックサービスはナイジェリアで最も有望なデジタルセクターと言われています。
この様な背景もあり、ナイジェリアはFlutterwave、Kuda、teamapt,、Fair Money、Mooveなど様々なフィンテック企業が誕生しています。
またアフリカ大陸全体についても同様の状況であり、銀行口座を持てない人々のニーズに応えるため、モバイルマネーサービスが一般的に普及しています。
GSMAによると、アフリカには1億6000万人以上のアクティブなモバイルマネーユーザーがおり、2020年は4,950億ドル以上の取引額を生み出しました。
ソフトバンクGのファンド、アフリカに初投資へ!
ソフトバンクグループ(SBG)傘下のソフトバンクビジョンファンドの2号ファンドがOPayに投資したと発表されました。
ビジョン・ファンドによるアフリカ企業への投資は初めてとなります。
Tech Crunchによると、ビジョン・ファンドの2号ファンドがリードした本ラウンドには、Sequoia Capital China、Redpoint China、Source Code Capital 、Softbank Ventures Asiaなども参加し、4億USドル(約440億円)の新規資金を調達しました。
これは規模・金額ともにアフリカ最大となります。
またOPayの企業価値は20億ドルと評価され、アフリカ大陸では5番目のユニコーン企業となりました。
アフリカにおけるフィンテック分野ユニコーンとしてはFlutterwaveに次ぐ2番目の企業価値であり、アフリカ全体のユニコーンとしてはEコマース大手のJumiaに次ぐ3番目となります。
OPayは今後はアフリカへの他国展開の他、中東市場にも進出していく予定です。
参照元:
- African fintech OPay valued at $2B in SoftBank Vision Fund 2-led $400M funding|Tech Chrunch
- Opera’s OPay still plans Africa expansion on Nigerian super app| Tech Chrunch
- SoftBank Bets on Fintech Startup OPay at $2 Billion Valuation|Bloomberg
- OPay Shares Exciting Growth Plans for 2021 After A Successful Business Year