日本とマラウイを結ぶ地域の力、一村一品運動とは!?〜青年海外協力隊のOVOP活動〜

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地域が誇る特産品を、自分たちの手で広めて行こう。

1979年に大分県で始まった一村一品運動は、カボス、豊後牛、大分麦焼酎など日本全国に通用するブランドを生み出しました。その後地域おこしの波に乗り、日本各地、さらにアジア・アフリカにも広がっている一村一品運動。実はここマラウイは大統領自らが考えに共感し、アフリカで初めて一村一品運動を取り入れた国なのです。

しかし、ただ名産品を作ることが一村一品運動の目的ではありません。売上を伸ばすことだけを目標とするのではなく、住民が主導となって地域の素材を生かし地域を育てる「地域づくり」「人づくり」なのです。

農家の多いマラウイでは農家同士でグループを作って特産品の制作と販売に取り組んでおり、一村一品運動「One Village One Product 」の頭文字を取ってOVOP(オヴォップ)と呼ばれています。

JICAからも専門家や青年海外協力隊員がOVOP事務局に派遣され、OVOPが地元に根付くように活動を支援して来ました。

一歩一歩ゆっくりと。広がるマラウイの一村一品運動

OVOPがマラウイの国家プロジェクトとして始動したのが2003年。最初は、品質があまり良くない、納期が守られないなどの問題が生じ、商品を取り扱うアンテナショップでも商品がなかなか売れないこともありました。

「ただ作った物を売るだけでなく、どうやったら売れるかを考え、常に品質には気を配らないといけない。」事務局は生産者グループがはるばる首都まで運んできた商品であっても、品質が悪いものは買い取らないというあえて厳しめの判断を下しました。加えて、品物が売れてから代金を払う後払いではなく、買い取った時に代金を払う前払い制にしました。「良い品物をきちんと納品することによりお金がもらえる。」これが農家グループの人たちのやる気に繋がり、品質や生産意識の向上に繋がっています。

住民のビジネスに対する意識を変えた石鹸

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マラウイの北端、タンザニア国境の町カロンガ県カポロ地区で農家グループが作るのはヤシの油を使った「カポロ・ビューティーソープ」です。

カポログループの石鹸はOVOPでも人気の商品であり、Red Palm Oilをベースにモリンガ・パウダーを混ぜた、自然派ビューティーソープが主力商品です。マラウィ人女性の間で人気があり、モリンガ・ソープと呼ばれリピーターが増えています。肌の汚れが良く落ちるという事で、にきび予防に活躍しています。

カポログループの一員であり、5人の子供を持つマティアス・ムトンガさん(写真)は米農家として生計を立てていましたが昔は1日に3回食事を食べられませんでした。 カポロビューティーソープによる利益が出てからは、1日に3回食事を食べられるようになり、米を生産するために借りている土地も1.5エーカーから3.5エーカーまで拡大することができたと語ります。これからも少しずつお金を貯め、町に家を買って貸家にしたい。町への交通手段としてバイクも買いたいと計画は尽きません。

このように利益を元に個々のメンバーが新たな収入活動を始めたり、自ら手書きのノートに収支を記録し損益を計算したりと、地域住民にビジネスの芽が育って来ています。これらの成果も代々の協力隊員による丁寧かつ辛抱強い身近な支援活動が実施されてきた結果とJICA専門家は語っています。

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青年海外協力隊員とのコラボレーション!さらなるコミュニティ開発へ!


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