豊田通商株式会社のグループ会社であるCFAO SASは、東アフリカの大手薬局チェーンGoodlife Pharmacyの株式を70%追加取得し、同社を完全子会社化したと発表しました。
CFAOはこれにより、アフリカにおける医薬品の生産から販売までの一貫したバリューチェーンをさらに強化し、質の高い医療サービスの提供と公衆衛生向上を目指します。
東アフリカ最大の薬局チェーンGoodlifeを完全子会社化
CFAOは、豊田通商株式会社のヘルスケア事業を担う中核企業として、アフリカ地域で医薬品・医療機器事業を展開しています。今回、CFAOはGoodlife Pharmacy(以下、Goodlife社)の株式を70%追加取得し、完全子会社化を実現しました。
Goodlife社は2014年に設立され、ケニアおよびウガンダを中心に約150店舗を展開する東アフリカ最大の薬局チェーンです。医薬品の店頭販売だけでなく、eコマースや宅配サービスも展開し、年間200万人以上の患者に医療サービスを提供しています。
豊田通商グループは2022年にCFAOを通じてGoodlife社へ30%出資しており、今回の完全子会社化は、グループとして初のアフリカにおける医薬品小売事業の本格参入を意味します。
この統合により、CFAOの強固な流通基盤とGoodlife社の小売ネットワークが結びつき、地域における医薬品アクセスの改善が一層加速すると見られます。
医薬品の生産から小売まで一貫したバリューチェーンを確立
CFAOは、モロッコ・アルジェリア・南アフリカにおいて医薬品のOEM生産を行うほか、アフリカ24か国で約11,000の薬局・病院へ医薬品を供給する卸売事業も展開しています。
今回のGoodlife社完全子会社化により、CFAOはアフリカにおける医薬品の製造、卸売、小売までを一体的に運営する体制を確立しました。
これにより、アフリカの消費者に対し、より高品質で信頼性の高い医薬品を安定的に届けることが可能になります。
また、デジタル技術や物流インフラの強化を通じ、都市部だけでなく地方における医薬品流通の効率化も進む見込みです。
豊田通商グループは、今夏横浜で開催されるTICAD9において「for the future children of Africa(アフリカの未来の子供たちのために)」をテーマに、アフリカの社会課題解決と経済成長への貢献を掲げており、今回の動きもその一環と位置づけられます。
偽造医薬品問題への取り組みと地域社会への貢献
アフリカでは、偽造医薬品の流通が深刻な公衆衛生上の課題となっており、世界全体の流通量の約10%、アフリカでは最大30%を占めるとされています。
こうした中で、CFAOは医薬品流通ネットワークの信頼性確保を目的とした白書「アフリカにおける医薬品流通ネットワークの安全確保」を発行し、政府・企業・医療機関・市民への協力を呼びかけています。同白書では、法的枠組みの整備、薬剤師教育の強化、市民への啓発活動推進が提言されています。
Goodlife社の持つ小売網は、このような安全なサプライチェーンの実現に大きく貢献するものであり、CFAOの卸・生産事業と連携することで、手頃な価格で高品質な医薬品をより多くの人々に届ける体制が整備されます。
今後、豊田通商およびCFAOは、アフリカのヘルスケアエコシステムを支える企業として、地域社会の健康と生活の質の向上に寄与していく方針です。
- 記事提供元:東アフリカ大手薬局チェーンGoodlife社の完全子会社化について|豊田通商 プレスルーム
















