大和ハウスグループの株式会社フジタは、ケニア共和国でのデータセンター実証事業が、経済産業省の「令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)」に採択されたことを発表しました。
本事業では、現地環境に適した高性能データサーバーの性能検証と、持続可能なデータセンター運用モデルの確立を目指します。ケニアのIT基盤強化と人材育成を通じ、東アフリカのデジタル化推進に貢献します。
東アフリカで進むデジタル化に対応する新拠点
東アフリカ地域では、急速に通信網が発展しており、社会・経済活動を支えるデータセンターの整備が喫緊の課題となっています。
ケニアは同地域のデジタルハブとして注目され、ナイロビやモンバサを中心にデータ需要が急増しています。
一方で、既存のデータセンターは老朽化が進み、電力・冷却・保守体制などの課題を抱えています。
フジタはこうした現状を踏まえ、経済産業省の補助金を活用してケニアにおけるデータセンターの実証事業を実施します。
本事業では、高性能データサーバー機器の導入を通じて、現地の環境条件(温度・湿度・電力供給の安定性など)における稼働性能を検証します。
同時に、現地運用を想定したクラウド・ホスティング・ハウジングの三位一体モデルを検討し、長期的な事業展開の可能性を探ります。
人材育成と地域産業のデジタル基盤を支援
ケニアでは、ICT産業が経済成長を牽引する一方で、専門技術者や運用管理人材の不足が課題とされています。
今回の実証事業では、データセンター建設や運営に関わる技術的知見を現地技術者と共有し、ITインフラ人材の育成を重視しています。これにより、単なる技術導入に留まらず、地域の自立的な成長を支える仕組みづくりを目指します。
さらに、フジタは環境面にも配慮した「エコフレンドリー・データセンター構想」を掲げています。
エネルギー効率化や再生可能エネルギーの活用を通じて、電力消費を抑えた運用モデルを検討。
これにより、ケニア政府が推進するグリーンICT政策にも整合する形で、サステナブルなデータセンターインフラを確立する方針です。
同社はこの実証を通じ、ナイロビを中心とする東アフリカ地域全体のデジタル経済発展に寄与することを目指しています。
グローバルサウス共創を通じた新たなモデル構築
今回のケニアでの取り組みは、経済産業省が推進する「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」による支援を受けて実施されます。
本制度は、開発途上国・新興国の社会課題を日本企業の技術力と現地ニーズの融合で解決することを目的としています。
フジタは同枠組みの下、ケニアでのデータセンター事業に加え、フィリピン共和国ではイエバエ技術を活用した食品廃棄物の肥料・飼料化事業の調査も実施します。
ケニア事業では、今後、実証結果をもとに市場性・法制度・技術的妥当性を検証し、事業計画書を策定する予定です。
フジタはデータセンター建設で培った国内外の経験を活かし、現地パートナー企業や公的機関との連携を通じて事業化を進める構えです。
将来的には、アフリカ諸国の地域特性に適応した次世代データセンターモデルを創出し、グローバルサウスとの共創による新たな価値創造を目指します。















