以前の記事で東アフリカで使用されるスワヒリ語の魅力についてお届けしました。
実はあなたの名前も!?東アフリカの公用語であるスワヒリ語が日本語に似ていて覚えてやすい!
今回はケニアに使用でされる言語について、着目したいと思います。ケニアの言語と言えば、やはりケニアの共通語として使用されているスワヒリ語を、まずイメージする方が多いですよね。「ジャンボ!」とか「サファリ」とかですね。
でも実はケニア人はそれ以外にも英語と部族語も喋れるのをご存知でしたか。そう、なんとトリリンガルなんです!そんな優秀すぎるケニア人の言語事情についてお伝えします。
実はケニア人は、タンザニア人に比べてスワヒリ語が下手!?
ケニアでは憲法において、ケニアの国語(National Language)は”スワヒリ語”、公用語(Official Language)は”スワヒリ語”と”英語”と定められています。ちなみに、スワヒリ語はケニアの隣国であるウガンダとタンザニアでも公用語として定められています。
でも、ケニア人のスワヒリ語は”下手”です。誤解を招きかねないので正しく言うと、文法や活用がめちゃくちゃなんです。そもそもスワヒリ語はタンザニアのザンジバル島の都市部で使われていた方言を標準語として定めています。スワヒリ語は東アフリカ地域で広く使用されるため、地域によって様々な方言が存在します。
ケニアのナイロビで使われるスワヒリ語は、教科書等に記載されている一般的なスワヒリ語ではなく、文法や言い回しが異なります。なので、ナイロビ・スワヒリ語と言われることもあります。一方、タンザニアの都市部では教科書的に正しいスワヒリ語を使用しているため、ケニア人がスワヒリ語を話すと間違いを指摘されるそうです。
ただ40を超える民族が暮らす多民族国家であるケニアでは、スワヒリ語が共通の言語として重宝されています。スワヒリ語は元々話し言葉を文字に起こしたと言われており、ローマ字で表記されます。読み方もそのままローマ字読みなので、簡単です。また発音もそのままカタカナ読みで通じます。
若者はもはやネイティブ並み!?ケニアに広がる英語の波!
ケニアの人々はスワヒリ語だけでなく、英語も日常的に使用しています。ケニアでは、かつてイギリスの植民地だった影響があり、英語が広く普及しています。なので、英語もクイーンズイングリッシュ(イギリス英語)です。
近年、ケニアでは英語教育にかなり力点が置かれています。学校教育においては、なんと英語が教育言語として指定されているのです。
ケニアの若者の多くは、日常会話として英語を使用するケースが増えてきておる、新聞や雑誌、テレビでも英語が一般的に使用されています。彼らはもはやネイティブ並みに英語を使いこなせています。
まだまだ不滅!ケニアの60を超える部族語の数々!
最後に紹介するのは、ケニアに存在する多数の部族語です。それぞれの部族は、自分たちの母語を持っています。ケニアには、スワヒリ語や英語の他に約60の言語が存在しているとも言われています。
それらを大きく分けると、ニジェール・コンゴ語族のバンツー諸語系、ナイル・サハラ語族のナイル諸語系、アフロ・アジア語族のクシ諸語系の3系統になります。
バンツー諸語系であるキクユ語、ルヒア語、カンバ語、キシイ語は、ケニアの人口の3分の1にあたる約1,500万もの人々が使用しています。またルオ語、カレンジン語などのナイル諸語系は約700万人が使っています。
これら部族語は主に部族同士で話す際に使われます。僕が住んでいたマクエニ県はカンバ族が暮らす街です。なので、街中ではスワヒリ語ではなく、カンバ語が一般的に使われていました。
外国人は英語を話すと思われているので、部族語であいさつすると、みんな笑顔になって喜んでくれます。ケニア人とコミュニケーションを取りたい方は、一気にグッと近くなれるので覚えることをオススメします!
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