TICAD VI閣僚級準備会合がガンビアで開催!市民社会・NGOの取組みを追う!

TICAD VI閣僚会合においての市民社会の取り組みと成果とは!?

sub1

2016年6月15日には、ガンビア・イスラーム共和国セレクンダ市の「カイラバ・ビーチ・ホテル」にて閣僚会合の準備のための高級実務者会合が開催され、「ナイロビ宣言」ドラフトに関する議論が行われました。また、翌日から2日間は、各国の閣僚級の代表が参加し、「ナイロビ宣言」は大筋合意にまで至りました。

市民社会は、ナイロビ宣言の主要論点である「産業化」、「保健」、「社会の安定」の3つの柱についての全体会に出席し、発言を行いました。市民社会が3つの全体会でいずれも発言できたことは、過去のTICAD関連公式会議において初めてのことです。これは会議の運営がこれまでよりも開放的かつ公正に行われたことを示しており、市民社会は今回の取り組みを高く評価しています。

3つの柱に対して市民社会が発言したポイントまとめ!

  1. 産業化:「産業化」は持続可能で包摂的、かつ強くしなやかな(resilient)ものでなければなりません。また、女性や若者、また障害者など社会的に脆弱な立場に置かれている人々の包摂性が必要であり、産業化の名のもとにアフリカの中小零細農民の土地の権利などが脅かされてはなりません。
  2. 保健:G7伊勢志摩サミットでの日本の貢献を称揚しました。一方、保健システムの強化、保健緊急事態への対応、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジへの取り組みにはコミュニティ・レベルのボトムアップのアプローチ、市民社会の積極的参画が不可欠です。
  3. 社会の安定:暴力的過激主義への対応には市民社会、コミュニティ・レベルでの取り組みが不可欠です。また、過激主義は社会の分裂や断裂に根差すことから、対立の修復のための対話が積極的に行われる必要があります。さらに、若者の就労機会の確保、格差の是正、民主主義、良き統治、人権の確立が「社会の安定」の前提となります。

ナイロビ草稿第2版に関する評価はどうだったのか!?

afri-can-ticad-title_002

6月16日に発表された「草稿第2版」は、日本の市民社会が事前に提出した「インプット」および、アフリカの市民社会も加わって作成した「建設的貢献」が大幅に取り入れられ、内容的にも相当の改善が見られました。

草稿第1版をみると、日本やアフリカの各国政府は基本的にTICAD本会議を民間セクターの導入に基づく経済成長を軸としたものとしたいと考えていると強く推認されました。一方、草稿第2版には「人間の安全保障」に関わる要素を大きく導入してきました。その背景としては、90年代末以降から続く日本の開発援助の価値観の背骨の部分をなしてきた「人間の安全保障」を軽視できなかったこと、またアフリカ連合委員会やアフリカ諸国政府が市民社会、非営利セクターの重視する声を反映したことが考えられます。

ナイロビ宣言本文は大筋合意に至りましたが、付属文書としてついている「実施手段」部分については、まだ十分に完成されたものとなっていません。これ関しては、今後国際機関、各国政府、市民社会のインプットを得て完成させて行くこととなっており、市民社会としても一層取組みをしていく予定です。8月に開催が迫ってきたTICADに向け、今後も市民社会の声がどこまで取り入れられるかに注目が集まっています。


引用元:PR TIMES
1st Photo Credit: Jorge Lascar via Visual Hunt / CC BY
4th Photo Credit: Afri-Can

1  2

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください