ルワンダ青年海外協力隊のタケダノリヒロ(@NoReHero)です。
もうすぐルワンダに来て半年。
ルワンダ語が身につくに連れて実感するのは、語学力以上にその国の文化や文脈、距離感を理解することが重要だということです。
異文化に適応するうえで大切なことは何か、身体を張って考えてみました。
なんで会いに来てくれないの?
数日経っただけで「なんで連絡くれないの?」「なんで会いに来てくれないの?」って言われるルワンダの人間関係まだ慣れない。トゥーマッチだよ…。
— タケダノリヒロ🇷🇼ルワンダスタツア参加者募集中 (@NoReHero) March 24, 2016
彼女かよ、と思うことがよくあります。
ルワンダ人はつながりを大事にするのか、寂しがりなのか、しょっちゅうFacebookやWhatsAppでメッセージを送ってきます。内容は特になく、「こんにちは」とか「元気?」とか「おやすみ」とか。
こちらとしても仲良くなりたいので嬉しい気持ちはあるんですが、正直めんどくさい…。
日本人はSNS依存だとか、歩きスマホがどうだとか言われてますけど、ルワンダ人の方がよっぽど携帯に依存してます。
「全然連絡もくれないし会いに来てくれないじゃん」と直接言われたルワンダ人には、ちゃんと説明しないと分からないかなと思って、「どうでも良かったわけじゃなくて、日本人はそこまで頻繁に連絡取ったり会ったりしないものなんだよ」と言ってみたんですが、絵に描いたようなホワイジャパニーズピーポー!な顔をされました。
まあルワンダで生活してるのに「日本人は…」とか「日本では…」とか言ってる時点でダメですよね。ここはルワンダ。郷に入っては郷に従え、ですね。
ルワンダでいちばんびっくりしたこと
ルワンダに来ていちばんびっくりしたのが、男同士で手を繋いでいること。ルワンダの文化を紹介した本『Manners in Rwanda』にも、以下の記述がありました。
It is unusual for a couple to make public displays of affection, even though many men walk hand in hand with male friends.
訳すと「カップルが公衆の面前で愛情表現をするのは一般的ではない。にもかかわらず、多くの男性が友人同士で手を繋いで歩いている」と書いてありますね。
恋愛関係でなくても、手を繋ぐんです。
先日ゴリゴリのソルジャーふたりが指と指を絡ませて、ルンルンに手を振って歩いてるのを見て、ああ平和だな…と思いました。
ぼくの同僚も知り合いと手を繋いで歩いてました。
こちらは指先をちょこんとつまんでます。可愛らしいですね。他にも手首を掴んだり、肘を持ったりと繋ぎ方にもいろいろバリエーションがあります。
その知り合いと別れて、またぼくと同僚ふたりで並んで歩き始めた時、同僚に突然スッ…と左手を握られました。
ついにこの日が来てしまった…と思いながらも、何事もなかったかのように会話を続けていたんですが、表情がこわばっていたのか、一切握り返さなかったからか、すぐに開放してくれました。よかった…。
相手は仲良しの同僚なんですが、さすがに男に手を握られると不快感しかありませんでした…。
男同士で手を繋いで何が悪い
ただ、ぼく自身がやるのは嫌ですが、男同士で手を繋いでいるのを笑ったり茶化したりするのはおかしなことですよね。
ルワンダに来て、男性同士が手を繋いでいるのを見てびっくりしてしまったのは、そんな光景を見たことがなかったからかもしれません。
ルワンダの場合はカップルとは限りませんが、日本にだって男性同士のカップルはいっぱいいるはずですよね。なのに手を繋いでいるのを見たことがないのは、それを変なこと、おかしなことだと見做す社会になっているからだと思います。
自分の国が、好きな人と手を繋いで歩くことも許容出来ない国だと思うと、ちょっとさびしいですね。
お互いに嫌な思いをしたり、誤解を招いたりしないように、もしまた手を握られそうになったら「ルワンダではそれが普通なのは知ってるし、君のことは良い友達だと思ってるけど、ぼくは男と手を繋ぐのはどうしても嫌なんだ」とちゃんと説明しようと思います。
異文化に適応するには
要するに、異文化に適応するうえでは「変えられるもの」と「変えられないもの」、「受け入れられるもの」と「受け入れられないもの」を明確にすることが大切だってことですね。
メッセージの頻度を少し増やすぐらいなら受け入れられますが、毎日「おはよう」も「おやすみ」も言って、顔も出しに行かなきゃ、となるとちょっとしんどい。
「男同士が手を繋いで歩いてるのは変なことじゃない」という意識には変えられますが、「自分が男と手を繋いでも嫌じゃない」という意識に変えるのは生理的に不可能です。
この「変えられないもの」、「受け入れられないもの」の限界を越えてまで異文化に適応しようとすると疲れてしまいます。
自分が消耗しない範囲で、出来る限りルワンダの文化や習慣に染まっていきたいなと思っています。
タケダノリヒロ(@NoReHero)