ルワンダ青年海外協力隊のタケダノリヒロ(@NoReHero)です
水・衛生環境の改善に携わるグループ『水の防衛隊』(RW-SAT=Rwanda Water Security Action Team)で、中高生を対象に手洗い啓発ワークショップを行いました
今回のテーマは「石けんの代わりに灰を使った手洗い」
劇や実験を交えて教えてきました。3回に渡るシリーズのラストです
この半年を通じて生徒たちのポジティブな変化も見られ、啓発活動の効果・意義を改めて考えさせられました
コンテンツ
アイスブレイク
まずは緊張をほぐすためのアイスブレイク。今回は「伝言ゲーム」
殆どの生徒が伝言ゲームをやるのは初めてでしたが、ルールもすぐに理解してくれました
こそこそ楽しそうに耳打ちする生徒たち
と思いきや、後ろの人にも聞こえちゃうほどデカイ声で伝えたり、全員で相談してしまうチームも。伝言ゲームの意味ww
とは言え、なんだかんだありつつ楽しく出来ました
劇
つぎは「手を洗う時に石けんがなければ灰を使える」ということを分かりやすく伝えるための劇
カリサとサバティという男の子ふたりと、そのお母さんが出てきます
テストで100点を取ったカリサに対して、0点だったサバティ
サバティはお母さんに見つかる前に、テストを川に捨てるか燃やして灰にしてしまおうかと作戦を考えます
ひとまずトイレに行って手を洗おうとすると、石けんがありません
お母さん「お金がなくて石けんを買えないの」
サバティ「じゃあぼくが明日学校からかっぱらってくるよ!」
カリサ「だめだめ!でも大丈夫、石けんがなかったら灰で手を洗えばいいんだよ!」
サバティは半信半疑でしたが、試しにやってみると、なんと汚れがすっかりキレイになりました!
サバティ「もっと灰が必要だったらぼくが作ってあげるよ!」
カリサ「何を燃やすの?」
サバティ「そりゃもちろんテスト……あ!!」
お母さん「…テストって何のこと?」
ちゃんちゃん
伏線を回収するという高度な笑いに挑戦しましたが、ちゃんと笑ってくれる子もいました。よかったよかった
もし途上国でウケを狙うのであれば、言語の問題もあるので極力シンプルな笑いを目指すことをおすすめします
今回の劇で言うと、サバティが0点を取ったり、トイレで踏ん張ったりするシーンは鉄板でした
灰を使った手洗いのメカニズム説明
灰の汚れを落とす効果は、アルカリの働きによるものです
油汚れ、皮脂汚れに強い
アルカリは、油脂の成分である脂肪酸と反応して一種の石鹸を作ります。石鹸になった油汚れは、もう「汚れ」ではありません。そして、石鹸になった脂肪酸は、今度はほかの汚れを洗い流すのに力を貸してくれます。アルカリ剤が汚れを石鹸に変える。その石鹸がアルカリ剤と協力してほかの汚れを落とす。このふたつの仕組みでアルカリ剤は油や皮脂汚れを落とすのです。
タンパク質汚れに強い
タンパク質汚れの代表的なものは、垢(あか)、飲食物の食べこぼし、血液など。タンパク質はたくさんのアミノ酸が結合してできているのですが、アルカリはその結合を切って分解したり、結合を緩めて構造を変化させたりすることができます。そうなるとタンパク質はもろくなり、繊維にしがみつく力も弱ってきます。だから少しの力を加えるだけで洗い流すことができるのです。
このような説明をして、実際に灰が手洗いに使われている写真を見てもらいました
これは7月にぼくらが参加した水の防衛隊のモザンビーク研修で撮ったもの
JICAのプロジェクトが入っている村では、このようにトイレの後に灰を石けん代わりに使って手を洗っていました
こういった説明で生徒たちもふむふむと納得してくれていました
実験
最後に、実際に手を洗ってみました。比較したのは、
A「石けん+水で手を洗う人」
B「灰+水で手を洗う人」
C「水だけで手を洗う人」
の3パターン
使用したのはサラヤの手洗いチェッカー
手洗いチェッカーを手に塗り、それぞれA・B・Cの方法で手を洗ってもらいます
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