HDIが大幅改善で、ジンバブエがアフリカの優等生に?
過去6年間で、ジンバブエの人間開発指数が著しく向上した。国連開発計画(UNDP)によれば、ジンバブエは、保健、教育、所得、ジェンダー平等といった人間開発における重要な要素について、サブサハラアフリカ諸国を凌駕している。
ジンバブエは過去十数年にわたる経済制裁によって、420億ドルの歳入を失ったとされる。それにもかかわらず、今回の達成状況は注目に値する。
2010年から2014年にかけて、平均寿命は49.6歳から57.5歳。2000年から2015年にかけて、HIV感染率は28.4%から13.8%。
その他の指標も一様に改善を見せており、驚きとともに現地メディアが伝えている。
貧困率、改善の兆しも絶対的貧困は深刻な水準
一方で、ジンバブエの貧困率は70%。国民の10人に7人が貧困に苦しんでいる。ジンバブエの財務大臣によれば、絶対的貧困(恐らく食糧貧困線で計測)は44%(1995年)から22%(2012年)へ半減したが、国内貧困線(Total Consumption Poverty Line)以下で生活する人々の割合は70%と高止まりしているようだ。
ジンバブエ政府は貧困削減戦略(Poverty Reduction Strategy)の中期計画を発表し、今後2年間で27億ドル(約2,700億円)が対策経費として必要と試算。一方、現時点で確保されている予算は8億ドル(約800億円)に留まっている。
世界経済危機後、ジンバブエは経済制裁下にも関わらず、5%を超える高い経済成長率を達成してきた。また、教育や保健へのアクセスに関する人間開発指数(HDI)も堅調に改善しているとされる。
マクロレベルの経済成長をミクロレベルの所得向上に繋げることができるかが、今後の課題となりそうだ。
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