African Fintech Awardsのスタートアップ6社
以上の要素を頭に入れた上で、次に2016年のAfrica Fintech Awardを勝ち取った6社について紹介していく。
1) cellulant
領域:Payments & Transfer
2004年にケニアで二人の起業家、 Ken NjorogとBolaji Akinboroがわずか$3,000の資金で始めたCellulanthはモバイル向けのソフトウェア開発会社。開始から3年目には、アフリカ初となるモバイルバンキングのインターフェース開発を成功させ、この分野で最も有名なスタートアップになった。現在では、50を超える銀行、40の通信会社、300を超える企業と提携して、アフリカ12カ国に展開している。
2.) the Sun Exchange
領域:Blockchain & Bitcoin
The Sun Exchangeは太陽光エネルギーのクラウドファンディングを展開している。支援者はオンライン上で好きなプロジェクトを選択し資金提供する。集められた資金で太陽光発電に必要な資材を購入すると同時に、それをプロジェクト発案元である病院、工場、学校などのクライアント先にリースする。
3) OVAMBA
領域: Lending & Financing
マッキンゼーやデロイトなど一流企業出身者が立ち上げたOVAMBAは硬直的な銀行の融資サービスと起業家の資金調達という課題を解決するためのビジネスである。2013年にカメルーンからスタートした同社は強みであるファイナンスとテクノロジーに加えて、現地に密着したチームによる徹底した情報収集で、適切にリスク管理し、融資スピードの改善をしている。2014年にはUKのGLI Financeから資金調達、さらに今年には日本のCrowdCreditから調達をしている。
4) FNB (First National Bank)
領域:Incumbent bank
5) EasyEquities
領域:Invest Tech
Invest Techという言葉は実は初めて聞いたのだが、このEasyEquityは最も簡単な株式投資のオンラインプラットフォームを目指している。日本でこれに近いのはOneTapBuyだろうか。端株を用いて、株式の購入にかかるコストやリスクを低くし、投資を促進する。
6) BaoBaB
領域:Retail Banking
Serving more than half a million clients in 10 countries with more than 130 branches and 3000 staff, Microcred has a strong focus on Micro & SME finance. In addition to its core Micro & SME business, Baobab is Microcred’s digital finance solution for financial inclusion. With Baobab, Microcred offers financial services to emerging client segments, particularly the unbanked, with a focus on Micro & SMEs. Baobab / Microcred was created in 2005 by Arnaud Ventura, its current President & CEO. The Group is one of the few global financial institutions that has been able to deploy a cost-effective model to address the issue of Micro & SME financing globally. Main partners include PE Funds such as APIS and global financial institutions such as AXA.
上記のように見ていくと、アフリカで新たな金融サービスが数多く立ち上がる理由として最も大きく、これらのスタートアップのインセンティブとなっているのは、その市場の大きさとポテンシャルなのではないかと思う。
というのも、先進国の人口が減少の一向を辿り、アジアも近い将来それに続く一方で、アフリカでは今世紀末まで人口増加が続くと予測されている。現在、世界人口は73億4947万人で、このうちサハラ砂漠以南アフリカ(サブサハラ・アフリカ)の人口は9億6229万人だった。世界人口に占める比率は13.1%だから、おおよそ全人類の7~8人に1人はサブサハラ・アフリカの住人ということになる。これが今から35年後の2050年の世界人口は97億2515万人で、このうち21.8%に当たる21億2323万人は、サブサハラ・アフリカの住人になるという。つまり、人類の5人に1人はアフリカのサハラ砂漠以南に住んでいることになる。
この人口爆発はtoCビジネスにとってはまさにチャンスでしかない。加えて、Unbankedという要素が絡んできている。つまり、既存の金融サービスを享受することができていない人々がサブサハラアフリカには約4億人おり、彼らがモバイルを手にし始めた現在、日本の2012年のように、スマホやモバイルに最適化された金融サービスを提供することで一気に顧客を拡大できる可能性がある。個人的にここら辺は日本や先進国も学ぶべきものが多いのではないのかなと思ったりする。
記事提供元:アフリカのFintech投資
Cover Photo by http://www.cellulant.com/