アフリカ南部に位置するジンバブエ共和国のムガベ大統領が今月28日に来日し、安倍晋三内閣総理大臣と会談を行いました。2016年8月にケニアで開催されるアフリカ開発会議(TICAD VI)の成功に向け、協力する方針を確認しました。また会談後の共同声明では、ジンバブエのインフラ整備のための6億円の無償資金協力を実施することも発表されました。
アフリカに影響力を持つ最長老!ジンバブエのムガベ大統領とは。
ジンバブエ共和国はアフリカの南部に位置し,約1,524万人が暮らしています。ジンバブエは1980年の独立以来、30年以上に渡ってロバート・ガブリエル・ムガベ氏が一貫して権力を握っており、今では92歳で世界最高齢の国家元首となりました。ムガベ大統領はアフリカ諸国に対して大きな影響力を持っていると言われており、最近では中国や欧州なども関係強化を図っていました。
ただジンバブエは,2000年以降,政治・経済情勢が混乱に陥り,道路を含む過去のインフラ整備は,予算不足と老朽化によって十分に機能しておらず,海外からの投資や国内産業の振興等が阻害されるといった悪循環に陥っています。
TICADⅥの成功に向けて、ジンバブエと連携強化!
2016年8月に初のアフリカ開催となる第6回アフリカ開発会議(TICAD)が開催されます。日・ジンバブエ首脳会談において、安倍首相はアフリカ独自の開発アジェンダ「アジェンダ2063」のTICADでの推進や官民連携による質の高いインフラ投資,人材育成等、日本ならではのアフリカへの貢献を示したい旨を伝えました。それに対してムガベ大統領は、TICAD VIの成功のために支援を惜しまない姿勢を示し、TICADへの出席を約束しました。
インフラ整備に6億円の無償資金協力を実施を約束!
共同声明において、昨年の無償資金協力(約18億円)に続き,ジンバブエに対し引き続き支援を行っていくことを表明しました。具体的には,インフラ整備のための無償資金協力6億円の供与することや、干ばつによる食料不足に対応するための支援の検討を開始します。それに対し日本側からは今後、貿易・投資を促進するため、ジンバブエにおけるビジネス環境の改善を要請しました。
また同時に、国連安保理改革の早期実現など国際社会が直面する様々な課題についても協力していくことで一致しました。アフリカ一の長老であるムガベ大統領との関係を強化することで、アフリカ諸国への影響力拡大が期待されています。
引用/写真元:
日・ジンバブエ首脳会談(外務省報道資料)
ジンバブエに対する無償資金協力に関する書簡の交換(外務省報道資料)
写真元:内閣官房内閣広報室