ボツワナから失礼します。

ちょっと日本の時事話題にあわせてボツワナ人の子育てとか、女性の社会進出の話をしたいと思います。

保育園落ちた 日本死ね は今年の流行語になるんじゃないかっていう勢いですよね。日本ってどうしてこんなに子供もつことに消極的なんだろうか。

一般的に、開発途上国は女性の社会進出度が低い傾向にあると思います。
それもそのはず、電気・ガス・水道のない世界で生活することを想像してみてください。
どう頑張ったって食事の度に火起こしして、一日のための水汲みやって家事に一日中追われます。
“おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川で洗濯”というのがリアルな状況。
男性が外で働いて女性が家のことするという分担になっていってしまいます。
そうすると、女性の発言権が弱くなっていくわけです。

ボツワナ中所得国なので電気・ガス・水道のある家は他アフリカ諸国に比べたら多い方です。
もちろんない人もいます。
で、女性の権限ですか・・・管理職への登用という意味では低いです。
日本の女性と同じか低いくらいじゃないでしょうか。
女性大統領はまだ誕生する気配すらないし、政治家は男性が多いし、
公的機関の管理職はほとんどが男性です。(もちろん女性いるし、働く女性は多いですけどね)

そんな状況なのですが、子育てが働くことの妨げになるか?といわれたらなっているように感じません!!

首都近郊の文化村。ツワナの文化を解説するアクティビティを提供している。代表は左端の女性。未亡人で運営しているとのこと。
首都近郊の文化村。ツワナの文化を解説するアクティビティを提供している。代表は左端の女性。踊っている女性たちは未亡人で、このアクティビティは収入創出プロジェクトになっている。自身の娘もここで働いている。

シングルマザーがデフォルト

ボツワナは結婚の際に男性が女性に多額の贈り物(というか牛)を出さねばならず、
お金がなくてほとんどの人が20代では結婚できません。
ところが恋愛自由なとこがあり、婚姻関係が成立してないとやはり他のパートナーを見つけてしまうため、

「子供3人いるけど、困った事に父親が全部ちがうの!」

「彼は違うおかーさんの兄弟さ!(異母兄弟ってこと)」

なんてのは普通です。よくあります。
別に隠さないし、悪い事じゃない。
シングルマザーへの差別もありません。
だってみんなシングルマザーなんだもん。

以前この件についてボツ人女性にきいたところ、
特にシングルマザーであることを聞かれるのは違和感ないそうです。
ただし「“どうして彼と結婚せずに別れたの?”は悲しいから聞かないでね。」って言われました。

もちろん、若いけど結婚している人もいます。
だからってそれが偉いとかはないです。

首都近郊の村で行われた結婚式の様子。正式な結婚にたどり着くのに年月がかかるため、この二人も結構年配。
首都近郊の村で行われた結婚式の様子。正式な結婚にたどり着くのに年月がかかるため、この二人も結構年配。

保育園はいらない

ボツ人女性は在学中に子供できたり、働くママに子供は普通います。
さて、ボツ人女性生んだ子供をどうしてるか・・・
自分の親や親戚、近所の人に預けたりして学校に行ったり働いたりしています。
え、保育園?なにそれ??みたいな。

日曜日朝の教会でのミサの間、子供達は外のテントに集められ、レクリエーションや簡単なレクチャーが行われる。この週のレクチャーを担当している写真の彼女は普段は博物館 自然史部署のオフィサーだ。
日曜日朝の教会でのミサの間、子供達は外のテントに集められ、レクリエーションや簡単なレクチャーが行われる。この週のレクチャーを担当している写真の彼女は普段は博物館 自然史部署のオフィサーだ。

日本は子供守りすぎ

これがなぜできるかということを考えると、
親が子供と一緒にいなければいけないという観念がないからじゃないかと思います。
誰か大人が付き添っていれば大丈夫。
で、それで何か事故があっても極端にだれかのせいになったりしないんです。

日本の保育園は子供守りすぎだと思います。
絶対に死なせてはならない、そうすると、
保育士一人当たりが見れる子供数って少なくなりますよね。
近所の人に預けるにしても何かあったらって責任感から絶対に目を離せない。
だから子供なんか預かりたくない、保育園も定員以上の子供受け付けない。

例えば地域に保育園ひとつ作って、そこに入りたい人全員入る、
で、人数増えるとサービス悪くなる それでいいんじゃないの?って思いますよ。
子供はそこまで守らなくても育つと思います。

地方のホステルの子供達。国土が広く人口が少ないボツワナでは学校までが遠くて通えない子供はホステルという宿舎に集められ、長期休暇以外は親元を離れて生活する。もちろん問題がないとは言わないが、子供たちはたくましく生きている。
地方のホステルの子供達。国土が広く人口が少ないボツワナでは学校までが遠くて通えない子供はホステルという宿舎に集められ、長期休暇以外は親元を離れて生活する。もちろん問題がないとは言わない。むしろ根は深い。でも学校にいかないよりは良いだろう。子供たちはたくましく生きている。

逆を言えば、日本は子供の人格を認めてない

ボツ人、ビックリするくらい子供から目を離します。
それで、何か事故で死んでしまったら悲しいけど、
じゃー見てなかった親や保育士が悪いとか、
目を離してはいけないとか、そういうふうにならない。
マタータだわ!悲しい!!!って泣いて悲しんで、終わり。

多分、ですが、これを深く考えて行くと子供の人格を認めているってことなんじゃないかと思います。
子供が事故で死んだら、死ぬようことをしちゃった子供にも責任があるんです。

職場に子供がくるのがなんでダメなの?

学校おわった子供が職場にくるのもOKです。
本日も私の職場には同僚の子供が現れることでしょう。
これも日本って今だめなんでしょ?

日本という蟹工船

女性の権利と子育てのしづらさは比例はしないのかもしれない。
女性の権限が低くても子供を大切に出来る社会は成り立っている。

少なくともボツワナは性差別あるけど、子供が育てにくい社会ではなさそうです。

子持ちの女性が職場にいる→
子供が熱だして早く帰らなければならなくなる→
他の人に仕事が仕事を負担する=残業→
ずるい、子持ちなんて雇いたくない!
子持ちの母親は職場から出て行け!!

根底にあるのは日本の労働感覚が蟹工船から抜けてないという点でしょう。
一億総活躍社会とか、要は、全員蟹工船に乗ろうぜ!ってふうにしか聞こえません。

私は特に結婚する予定ないんですが、この理由を自分でよく考えると
現実的に仕事続けながら結婚というのが難しいと思っているからです。
今の生活を捨てたくない自分がいるからです。

これを正直にボツワナ人に話すと「?」ってなります。
多分わかってくれてない・・・

「日本がそんなならボツワナに帰化しようぜ!」

って言われるだけ・・・

協力隊的な観点でいうならみずから解決しなければならないんですよ

最後に協力隊の観点からこの件を考えると
地域の誰かが率先して、
私営のサービス悪い保育園を作るっていうのをやらなきゃならないんです。

保育園ない、国がわるい、行政のせいだ・・・
コレどっかで聞いた事あるなと思ったら、
ボツ人がよく状況に愚痴ってるアレと同じなんですね。

誰がやるの?自分でしょってなるので
え・・・帰国したら保育園つく・・・

すみません、自分、子供にたかられるの苦手で・・・
ぜ・・・・善処し・・・ま・・・す。

案外問題の根底はコレなのかも。

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Hiromi Ame
グラフィックデザイナー。東京の広告制作会社2社に合計約8年の勤務を経て、2014年7月より青年海外協力隊で南部アフリカのボツワナに派遣、国立博物館の制作部にデザイナーとして配属されています。アフリカにいながらカンボジア(東南アジア)のNGO団体の広報活動の仕事もしていたりします。他国ボランティアからデザインの仕事も引き受けていますので、お気軽に連絡ください。