今日は第3回(最終回)です。これまでの記事はこちらでどうぞ。

アフリカの水と衛生問題を、国際協力の立場から考えてみた!~第1回:MDGsとアクセス状況~
アフリカの水と衛生問題を、国際協力の立場から考えてみた!~第2回:資金課題と投資事情~

水の課題

2015年現在の給水率マップをみると、アフリカ地域は他のどの地域よりも安全な水へのアクセスを改善する必要があります。既に90%以上の給水率を達成している国や地域では、環境に配慮した持続的で効率的な給水サービスの実現が課題となりますが、アフリカの多くの国はまだまだそこまでいっていません。

(H) 給水率世界地図

UNICEF and WHO (2105)

村落地域の給水率改善

昨今、アフリカの急速な都市化が懸案とされています。2030年までにアフリカの都市人口は2倍になると予測されています(UNDESA、2012; UN-Habitat、2011)。人口増加に加え、経済活動が活発になり産業化が進むにつれ都市の給水需要は人口増加率以上に増えると予測されています。このため、都市における統合都市水管理を推進する必要があるという議論もあります(Closas et al, 2012)。

(I) ?????? 人口増加予測

一方、サブサハラアフリカ地域における安全な水へのアクセス率が示すように、村落地域の給水率は他地域と比較して非常に低く、維持管理体制も脆弱であるとされている。村落地域で一般的な給水施設であるハンドポンプも故障が多く、稼働率は平均で70%に満たないとも言われている。

(J) ??????????? 水率(都市、村落、全体)

都市部における給水サービスの改善に注目が集まるものの、依然としてアフリカでは村落地域における安全な水へのアクセス改善は重要な課題であるのは間違いない。

SDGs

2015年9月25日、国連加盟国は「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択しました。いわゆる、持続可能な開発目標(SDG: Sustainable Development Goals)です。その中で6つ目のゴール「安全な水とトイレをみんなに」が、水に関わる目標です。

(K) SFG Logo

MDGsとの大きな違いは、主に以下の点が挙げられます。

1.安全な水へのアクセスや衛生施設へのアクセスだけでなく、それぞれの施設の質、持続性も指標に加えられた

2.水・衛生に加え、排水処理や汚染の低減を通じた水質改善、効率的で持続的な水利用、統合水資源管理の実践、水にかかわるエコシステムの保全等の目標が加わった

3.途上国の開発課題解決のみならず、先進国での課題解決も求められている

全体的に量的な改善にとどまらず、質の改善が求められています。

私たちに何ができるか

日本での節水がアフリカでの安全な水へのアクセス改善につながるわけではありません。
また、SDGsはアフリカなどの発展途上国だけでなく、日本も取り組むべき課題です。

私たちに何ができるか。ともに考えていく上でもアフリカの水について少しでも関心をいただいて頂けると嬉しいです。

でも、少しでも水を中心とした地球環境について、アフリカについて興味を持って頂けたら小躍りするくらい嬉しいです。

何かご質問があれば、ask.fmにお願いします。匿名でのご質問も可能です。


References

・Hall, D. and Lobina, E. (2010) The past, present and future of finance for investmen in water systems, Public Services International Research Unit (PSIRU), www.psiru.org
・OECD (2012) Mapping support for Africa’s Infrastructure Investment, OECD, NEPAD-OECD Africa Inv・estment Initiative
・UNICEF and WHO (2105) Progress on sanitation and drinking water – 2015 update and MDG assessment
・UNDESA (2012) World Urbanization Prospects: The 2011 Revision.
・UN-Habitat (2011) State of the World’s Cities 2010/2011: Bridging the Urban Divide. London.
・Closas, A., Schuring, M. and Rodriguez, D. (2012) Integrated Urban Water Management – Lessons and Recommendations from Regional Experiences ion Latin America, Central Asia and Africa, Water Partnership Program (WPP), World Bank

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Itsuro Takahashi
1974年生まれ。開発協力ワーカー/ブロガー。 主に村落開発、水・衛生をフィールドに、インド、ザンビア、エチオピアに駐在。タンザニアでは主夫・子育てを2年間経験。趣味はサッカーと読書。関心事項はローカル、社会起業、ファンドレイジングなど。