ケニア政府が6日、ケニア東部にある世界最大規模のダダーブ難民キャンプを含む難民収容施設を閉鎖する方針を明らかにしたとCNNが報じています。ケニアは昨年にも治安上の脅威などを理由に、隣国ソマリアからの難民受け入れを中止すると発表していました。難民キャンプで暮らす約30万人に影響を与えることになり、国際機関などは今回の決定に関して非難の声をあげています。そんな中、実際に現地で働く日本人が今回の報道に関しての真相を現場より発信して、注目を集めています。

世界最大の”ダダーブ難民キャンプ”が閉鎖で30万人以上の難民が危機に!?

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アフリカの東部に位置するケニアはこれまで約20年以上、隣国ソマリアより内戦や干ばつから逃れた難民を保護してきました。その主要な受け入れ先がケニアの東部にあるダダーブ難民キャンプです。周辺には5つのキャンプが集合しており、世界最大の難民キャンプと言われています。

1991年に起こったソマリア内戦とその影響による混乱を受け、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)がダダーブに最初のキャンプを設立しました。現在では、ダダーブキャンプには30万人以上の難民が収容されています。

ケニア政府は2015年も、過激派組織アルシャバーブによる大学襲撃事件が起こったことを理由に、これらキャンプの閉鎖を発表しました。その際は国際社会の圧力によって、決行を回避していました。今回のキャンプ閉鎖に伴い、ケニアは政府は数十万人規模の難民の人道対策の負担に責任を国際社会に負うよう要請しているとCNNは伝えています。

このニュースをどう捉えるか!現場で働く日本人のブログに注目して欲しい!

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今回の報道に対しては、様々な意見が飛び交っています。特に日本人にとっては「難民」という存在自体が想像しにくく、今回の報道の真実が見えづらくなっています。

そんな中、実際に現地で働いている日本人が今回の閉鎖報道についてブログでその想いを綴っています。今回のニュースについて現場から新たな視点を提示しており、すごく良い記事なのでご紹介させていただきます。

世界最大の難民キャンプの閉鎖 -報道されない難民の声、その帰結-

著者は、ダダーブ難民の報道がYahoo!ニュースのトップページに掲載された際、コメント欄が国連や援助機関への批判で溢れていることを危惧しています 。

紹介した記事では、翻訳時に割愛されてしまったCNNの元記事にある難民の声を伝えています。

25年も存続しているダダーブ難民キャンプには、キャンプで生まれ、キャンプでの暮らししか知らない若者が多く存在します。彼はおそらくキャンプの中の学校で教育を受け、勉学に励み、ケニアで大学に進むことを望んでいました。そして彼はソマリアの土を踏んだことがありません。ソマリアは、彼にとっては全く新しい未知の世界なのです。

この様に「ソマリア難民」という呼ばれていますが、実際にはケニアで生まれ育った多くの若者がダダーブキャンプでは生活をしています。それを突然、見知らぬ土地を母国と呼ばれ、強制的に返そうとしているのです。

そんな対応された若者たちが育った後、彼ら彼女らはどう思うでしょう。 

ケニア政府に対する反感や憎悪を生み出す豊かな土壌になるでしょう。ソマリアに追い返されて職を見つけられない若者は、そんな感情を抱えてどこへ向かうのでしょう。

ケニア政府が恐れるソマリアのテロ組織アルシャバーブは、そんな若者のケニアへの反感や生活苦につけこみ、戦闘員として巧みに勧誘し、ケニアの治安はさらに脅かされるかもしれません。

国際社会・機関はこれまでも難民支援に多くの資金を費やしています。それはキャンプ支援だけではなく、ソマリア国内への支援も同様です。

難民問題に関しては、様々な立場から様々な意見があると思います。だからこそ一方的な報道機関によるニュースだけではなく、多面的に見る必要性があると思っています。ケニア政府が懸命な判断を下すことを願っています。

ぜひこちらの記事も併せてご覧ください!

世界最大の難民キャンプの閉鎖 -報道されない難民の声、その帰結-

参照元:CNN
※写真はイメージです(Photo credit: francediplomatie via Visual hunt / CC BY-NC-SA

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凡
Africa Quest.com 編集長。1987年うどん県生まれ。証券会社退社後、青年海外協力隊としてケニアに赴任。在任中に雇用創出をビジョンにソーシャルベンチャーを共同創業し、約2年にわたり運営を行う。現在は、Africa Quest.comの運営や中小企業のアフリカ進出サポート、アフリカビジネスラボのモデレーターなど、アフリカをテーマに幅広く活動している。