6月26日は、マダガスカルで57回目の独立記念日でした。
1960年のアフリカの年(*1)に独立したマダガスカル。独立前の1947年には宗主国のフランス軍と独立を巡ってぶつかった歴史(*2)もあるものの、独立自体はスムーズに行われました。
(*1) この年に17カ国のアフリカの国々が独立を果たした。
(*2) 1947年3月29日に両国の衝突により多数の犠牲者が出ました。この日はCommémoration de la Rébellion de 1947(独立運動犠牲者慰霊祭)として、祝日となっています。
フランス大統領からのお祝いも
独立記念日に際して、マクロン大統領からもお祝いの言葉が寄せられています。
“フランスとマダガスカルの強い関係を嬉しく思っています。二つの国と二国の国民の友好は、古くそして強固なものです。フランスは、とりわけ支援を通じていつもマダガスカルに寄り添います。二つの国の結びつきが、インド洋の国々の発展を支え、海面上昇などの課題を一緒に解決することにつながるでしょう。(在マダガスカルフランス大使館HPより)※筆者による意訳”
独立記念日のお祭り
6月に入ると、各家庭では国旗が掲揚され、街中がマダガスカルカラーにあふれます。
また、今年2017年の独立記念日は月曜日。
ということで、土曜日からの3連休ではいたるところでお祭りが行われていました。
独立記念日定番の提灯。子どもも大人も、ろうそくを入れて、夜のお祭り会場に持ち歩きます。
光るおもちゃを手にする子どもたちも。
前日夜は花火でお祝い。
日本と比べると質も量も劣りますが、すぐそばで打ち上げられる花火は迫力満点!
打ち上げスポットも手が届きそうなくらいの至近距離です。
26日当日は、街中でパレードが行われます。
職場や学校、地域クラブなど様々な団体が駅前の独立大通り(*3)を歩きます。
(*)マダガスカルのどの街でも、すべての駅前が「独立大通り」という名前です。
最近は鉄道が使われていないため、駅は植民地時代の名残を感じる建物になっています。
マダガスカル人としてのアイデンティティ
マダガスカルでは公式には18の民族(↓写真:18の民族が描かれている石碑)が認められていますが、現在のところは、目立った民族対立は見られません。
公的サービスの施設や公立学校には国旗が掲揚され、週に一度は国家斉唱も行います。
人々のアイデンティティも「xx民族」というより「マダガスカル人」として強く持っているように思います。
一方で、その上位の概念としては、「アフリカ」に属するのか、「インド洋」に属するのか、はたまた「フランス語圏国家」に属するのか。いずれの価値観とも微妙な温度差を感じながらも、生きているように感じます。
独立記念日は、国の繁栄を願うだけでなく、家族や友人と楽しみ祝う、マダガスカル人にとっては、1年の中でも特別な日でした。