西アフリカのオフグリッド・ビジネス事情!主要企業の相違点と共通点を解説!〜後編〜

Offgrid

はじめまして、コートジボワール在住の佐々木裕馬(ささきゆうま)です!

前回はアフリカのオフグリッド業界について簡単に紹介させていただきました。今回は西アフリカで大きな市場であるガーナとコートジボワールについて主要プレイヤーをご紹介します。なお数字周りや内部情報については取扱注意のものはここでは省かせてもらいます。自分の現地での経験とネット上で集められる情報をベースにできるだけシンプルに説明したいと思います。

オフグリッドはなんとなくわかったけどそもそもガーナとコートジってどこにあって何が違うだ?という方は前々回の記事をご覧下さい。

オフグリットのビジネスモデル

オフグリッド(電気の通っていない)な地域の家庭に対して何らかの形で電力の代替製品を提供するこのビジネスはよくPay-as-you-go solarと呼ばれています。初めてこの言葉を聞く方も多いと思うのですが、簡単です。一言で言えば前払い式電力ということです。

イメージとしてわかりやすいのが日本のプリペイド携帯やPASMOです。プリペイド携帯はクレジットをすべて使い終わってしまったらお金を追加しないと携帯として機能しないし、PASMOも中のお金がなくなってしまうとチャージしない限りはただの役立たずのカードになってしまいます。同様に、Pay-as-you-go製品を購入しても日々の支払いを怠ってしまうと遠隔でシステムは止まってしまい、電力を使えなくなります。

西アフリカの主要プレイヤー

さて、ガーナとコートジボワールの2カ国の主なプレイヤーは以下の通りです。

image1

まだ発表されていない情報もあってここでは書けませんがそんなに遠くない将来ここに出ているほとんどのプレイヤーがガーナとコートジボワールに出揃うと思います。3ヶ月も経てば状況が変わっているような世界なので、この情報はざっくりとしたものとして捉えてください。

ナイジェリアは市場としてバカでかいんですが、治安や政治そして通貨の不安定さからまだ主戦場にはなっていません。これはコンゴ民主共和国も同じです。よって、おそらくMobile Moneyがある程度浸透していて、オフグリッド人口が多くて比較的政情が安定している周辺国がガーナとコートジボワールのあとには狙われるのはないかと思います。またこの2カ国についても、ここにはまだ出ていないプレイヤーがさらに増えることと思います。

オフグリッド主要プレイヤーの4つの相違点

さて、6つの主要プレイヤーをあげましたが何が共通点で何が相違点なのか。大きくわけて4つ上げてみます。

1) オフグリッド関連事業か会社の主要事業が否か。

通信会社であるOrangeを除くとすべてオフグリッド事業が主要事業となっているスタートアップです。スタートアップの定義にもよりますがほとんどが設立10年以内で、まだ一人立ちしていません。大企業やファンドからの投資を資金源としており、収益よりも成長を戦略上優先しています。

ちなみに畑違いのOrangeがなんでここに入っているのかと言えば、この事業のビジネスモデルにおいてMobile Moneyが重要なインフラとなっているからです。それを握っているOrangeはモバイルマネーの活用という部分では他社よりも圧倒的に優位な位置にいます。ただもちろんオフグリッド事業そのものに関してはまだ素人同然。

2) 西アフリカに強みがある否か

Lumosがナイジェリア、PEGがガーナでスタートした以外は東アフリカまたはアジアで一定の成功をおさめてから西アフリカにきたと思います。思いますというのは無責任なんですが、西アフリカ以外詳しく知らないので知ったかするよりはいいかと笑。もっと大事なのは他の地域から西アフリカにきた組はすでに他地域での成功体験とノウハウを持っているが西アフリカでは初心者、そしてPEGやLumosは西アフリカしかやってないけどそれに関しては現地の事情はより理解しているということだと思います。

3) 自社製品を製造しているかディストリビューターに徹しているか

これは結構面白いです。全然話は飛びますがファッションブランドの例をあげたほうがわかりやすいかと思います。ルイビトンやティファニーのように自社で製作•販売を行っているか多くのセレクトショップのように製造は行わずにモノを仕入れて販売事業に徹しているか違いだと思ってください。技術革新がものすごいスピードで進むこの世界で製造まで手を出すかどうかというのは大きな戦略のわかれ道だと思います。例を上げるとPEGは販売に特化していて、製品については数年のスパンで最も条件のいいところ(製品のクオリティ、価格、信頼度など)と組んでいますし、Greenlight Planetなんかは自社製品を自分達で販売するだけでなく世界中のディストリビューターに販売しています。

4) 製品仕様

8-10Wから200Wまで様々。10W程度だとラジオ、懐中電灯、電球、携帯チャージャーがセットになっていて、パネルが大きくなっていくに連れてテレビや冷蔵庫にも使えるようになっていきます。ただその分価格は高くなっていくので、そこも大きく各社の戦略が分かれるところ。お客さんは高くても大きなパネルをほしがる傾向にありますが、買ってくれるからと言って大きなシステムを売ってしまうと、そもそもローンで売っているのでお客さんは払えなくてなってシステム没収になり、会社側も資金回収ができなくなってしまうというリスクがあるので気をつける必要があります。

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