“世界で一番命の短い国 シエラレオネ”で、就労支援に取り組む若きファンドレイザーの話〜イベントレポ〜

ハプニングと苦労の連続。それでも夢を追う日々

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下里さんいわく、シエラレオネの空港は「世界一不便な空港」と言われていて、首都フリータウンまでは、3時間に1本しかないフェリーに乗らないと到着できません。さらに飛行機は毎日のように欠航し、1日3便ほどしか飛ばないそう。

すでにおわかりかと思いますが、アフリカ地域のなかでも群を抜いて”行きづらい国”、それがシエラレオネなんです。

「良質なダイヤモンドがとれることで有名ですが、めちゃくちゃ不便だから観光客も来ないし、これといってシエラレオネならではの魅力ってないんですよ(苦笑)。

最初はこの国で何ができるんだろうと不安ばかりでした。でも、太陽のような明るさを持ったカラフルなアフリカの布を見て、現地のテーラーさんと一緒にものづくりをしてみようと思いつきました」

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これらはアフリカ布でつくったアラジのアイテム。強いエネルギーを感じる配色と日本ではあまり見かけない大胆な柄は、アフリカ布ならではの魅力ですよね。元気が出るだけじゃなく、身に付けているとオシャレに見えるのもポイント高いと思いませんか?

さっそく現地のテーラーさんとのものづくりを始めた下里さん。ですが、決して一筋縄ではいきませんでした。

「日本で通用するクオリティに仕上げるために、真っ直ぐ縫うとか糸のほつれをなくすとか検品基準を設けているんですが、どうしても基準をクリアできないテーラーさんがいて……。以前、本人にミスを指摘したら『布のせいだ』と自分の非を認めてくれませんでした。

結局、ベテランテーラーさんから注意してもらって、その場はおさまったんですが、あのときは私もさすがに怒りましたね。現地では毎回ハプニングばかりです

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今後は、現在付き合いのあるテーラー12名の収入を支える組合を立ち上げ、テーラーさんとしっかり契約を結んだうえで、ものづくりをしようと考えているそうです。5つある検品基準をクリアすること、納品日を守ることは必須。

もし契約事項を守らなければ報酬を差し引く処置も行うとのこと。やはりビジネスとして継続していくためには、それぐらいシビアに付き合う必要があるんですね。

とはいえ、下里さんが現地へ渡って活動している時期は、彼らの収入は普段の3倍になっているそう。この数字だけでも彼女の奮闘ぶりがおわかりいただけるでしょう。

2018年の5月に再び現地への渡航が決まっているという下里さん。小学校支援やものづくり事業のほかに、現地でゲストハウスを運営するプロジェクトも開始予定だそう。アフリカのなかでもとくに貧困に苦しむシエラレオネでの活動は、想像を絶する障害ばかり。それでも彼女の夢を追う日々はつづきます。

シエラレオネの人々が自らの手で夢を実現できるようなる、その日まで。

次回以降、Vol.19とVol.20の詳細はこちらから!

第19回アフリカビジネスラボ 「本田圭佑の想いと共に!サッカーでアフリカの子ども達に夢を与える若きリーダーの話!」

第20回アフリカビジネスラボ〜日本人初のケニア政府公認サファリガイドが語るサファリガイドの仕事と野生動物の話〜


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