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ケニアのマサイマラ国立保護区では、毎年100万頭を超えるヌーの大移動が行われます。7~8月にタンザニアからやってくるヌーたちは、マラ川を渡ってケニアにやってきます。草を食べ尽くした11月ごろ、またタンザニアへと向かって移動をします。ヌーたちが超えなければならないのが、”マラ川”です。この川を越えないと、目的地にたどり着くことはできないです。
Andrey Gudkov氏は、マサイマラ国立保護区でヌーの大移動の写真を撮影してきました。その中にマラ川を渡る際にワニに襲われたヌーが間一髪で逃げ切った写真があります。数百頭のヌーがマラ川を渡っていたところ、水中に潜んで待ち構えていたワニが、ヌーの腹部に噛みつきました。しかし、このヌーは体をよじらせて飛び上がることで、ワニの攻撃から逃れることができました。
私もケニア滞在中にヌーの大移動を見にマラ川を訪れました。マラ川にはワニやカバなどの獰猛な動物が生息しています。何百頭の群れで一気に渡ろうするヌーの中には、ワニやカバの攻撃で命を落とすヌーが多いのです。実際にマラ川にはヌーの死骸が浮かんでおり、それをハゲ公などの雑食の鳥類が餌として食べていました。命をつなぐために決死の覚悟でマラ川を渡るヌー。それを狙う数々の動物たち。そうやって食物連鎖が成り立っているのかも知れません。いずれにせよ自然のドラマは偉大です。
引用元:新華ニュース