アフリカのスタートアップ・起業家の現状

この様なアフリカの現実を考慮した際、数億人に上る貧困層を救い、持続的な経済発展促進を遂げるために、関係機関、アフリカ諸国、アフリカ人自身には何が必要だろうか?

1つの解決策は、アフリカの若者の莫大なエネルギーと起業家精神を活用することである。これは、アフリカの人々が地域社会に根ざした発想で諸課題を解決していくアプローチである。

Global Entrepreneurship Monitorの調査によると、アフリカの起業件数は世界でトップレベルにあり、アフリカの5カ国が世界トップ10にランクインしている。(10)

  • 表3:総合起業活動指数 起業または起業から3年半以内の割合TOP10

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しかしながら、このような世界的に見ても高い水準での起業家活動はある一方、大きな雇用創出や収益創出をする企業は十分に生まれてきていない。

アフリカ連合(AU)は「大陸の傾向としては、経済に弾力性はあるが、雇用なき成長が起きている」と述べている。

ここで、アフリカで最も人口の多く、大陸について見るうえで分かりやすいエリアの1つである国であるナイジェリアに触れたい。

1億人以上の労働力人口(過去10年間で80.6%増)とGDPの着実な増加(過去10年間で26.9%増)の一方で、過去5年間で持続可能な経済機会(11)のスコアは0.1%低下し、人口の大多数が生活水準を実際に下回っているのが現状だ。(12)

経済成長に雇用が伴わない理由!

ではなぜ、経済成長に雇用が伴わないのか?そしてより重要なイシューとして、安定した雇用の増進や持続可能な経済成長を生み出すためには何ができるのだろうか?

ポイントは、企業の規模にある。

現在、アフリカの起業家活動の圧倒的多数は、低レベルの技術しか用いない非公式な産業で行われている。

農業を除いたアフリカのすべての雇用の90%近くは、不安定、低賃金、従業員保護の欠如、安全でない労働条件を特徴とするこの非公的な産業に属する。(13)

南アフリカ、ケニア、ナイジェリアなどで特に成果を出し、成長しているテクノロジースタートアップであっても、事業の数と規模は非常に小さいままである。

アフリカの投資家と起業家をつなぐプラットフォームであるVenture Capital for Africa(VC4A)による分析では、南アフリカのスタートアップの41%が全く収益を上げておらず、わずか6%の企業しか年間売上高500,000ドルを上回っていない。(14)

大陸最大の都市の1つであるケープタウンにあるテクノロジー関連企業でも、被雇用者はたった4万人だ。(15)

世界の294社のユニコーン企業(未上場で時価総額が10億ドル以上の企業)のうち、アフリカ大陸では南アフリカのCell CとPromasidor、ナイジェリアにはJumiaがある。このうちJumiaのみが従来の意味でのテクノロジー関連のユニコーン企業と見なすことができる。(16)

対照的に中国には100を超えるユニコーン企業が存在する。

南アフリカ以外で公式な産業において大規模で世界的に競争力のある企業数が少ないことを考えると、アフリカ諸国はユニコーンを増やし、持続可能な雇用を創出することが重要となる。

来週の記事では、アフリカのスタートアップにおける重大な資金調達不足について解説し、アジアからの国境を越えた資金調達について触れたい。

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「アフリカの未来を創る。」 And Africa
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