前回に引き続き、ケニアの携帯の仕組みと市場についてお届けします。
使った分だけだから安心!簡単なプリペイド式
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前述した様にケニアでの携帯電話の通信料金はプリペイド式になっています。全然理解できない不思議な料金に悩まされることも、銀行から勝手に毎月引き落とされることもありません。街中にある”キオスク”と呼ばれる小さな露天商で、カードを購入します。その金額を携帯にチャージするだけです。使い切ったらそれでおしまいで、追加料金はかかりません。
やり方もすごく簡単です。カードの裏面にあるスクラッチを削ると番号がでてきます。それを携帯電話に打ち込むと、金額が携帯の中に入り通話やインターネットを利用することができるようになります。最小購入単位はなんと5ksh(約7円)から!少ないと思われるかもしれませんが、これでも約1~2分の通話ができます。また電話番号を使って送るショートメッセージ(SMS)なら5通程度のやりとりが可能になります。
「携帯貸して!」言われたら注意しなければいけないんですよ!
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ここで少しプチ情報を。現地の人たちに「ちょっと携帯貸して」や「携帯見せて!」なんて言われたしっかりチェックしてくださいよ。気がつかない間にチャージしていたお金を引き抜かれるかもしれません!
と言うのもケニアでは電話番号だけでチャージしたお金を簡単に送り合うことができるのです。なんと便利な仕組みなんでしょうね。たまにキオスクでチャージカードの在庫がないと、お金を払って店員さんの携帯電話に入っているお金を転送してもらうこともよくありました。すごい仕組みと感心している場合ではなく、こんな仕組みがあることも知っておいて十分に気をつけましょう!
あのマサイ族も!驚きの普及率を誇るケニアの携帯電話市場。
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さてこれまでお伝えしてきた様に、携帯電話はここ数年の間においてケニアで爆発的に普及した物の11つです。この現象はもちろんケニアだけでなく、アフリカ全土で起こっています。
ケニアの人口は約4,000万人と言われていますが、今から15年前の2000年に携帯通信会社最大手のSafaricom社と契約する人は1万7,000人程度でした。しかし、わずか10年足らずの2010年にはその数は1200万人にまで拡大しました。現在ケニアの携帯の普及率は70%に達しており、SIMカード数で換算すると人口の100%を既に超えているとも言われています。また人口カバレッジは日本の1.5倍もある広大な土地にもかかわらず、95%に達しています。地方の村はもちろんと繋がりますし、マサイ族はサバンナで放牧の際にも使用しています。
そして近年、若者をスマートフォンの人気が高まっており、毎月10万台以上が出荷されています。日本でもおなじみのNOKIA、華為技術(Huawei)、Samsungの安価なスマートフォンが人気を博しています。また電話番号でお金を送金しあったり、貯金したりするモバイルテクノロジーは既にケニア国民に浸透しています。ケニアは非常にモバイルリテラシーが高い国であり、モバイル市場は今後さらに活気付くとみられています。
終わりに
よくアフリカは今、日本でいうと19◯◯年だ!とよく言われますが、同じように生活水準が変化している訳ではありません。テレビを持っていない人がスマホを持ち、電気がないところにもインターネットは届いているのです。アフリカのモバイル分野は私がアフリカで最も熱い分野であると思っています。今後も面白い情報をお届けしていきたいと思います。