タンザニア共和国にて未電化地域向け電力サービス「WASSHA」を提供するWASSHA社は、関西電力と、タンザニアにおける未電化地域向け電力サービスを共同展開すると発表しました。関西電力はキオスク7,500店舗分の機材導入をサポートします。WASSHA社が培ってきた現地でのオペレーションに、関西電力の持つ電力にかかる知見やノウハウを加えることによって、事業の拡大を目指します。

未電化地域向け電力サービス「WASSHA」とは!?

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発電所が発電した電力を送配電網を通じて供給する電化のアプローチが届いておらず、日常的に電力にアクセスできない地域を”未電化地域”と呼びます。全世界で約12億人、うちサブサハラ以南アフリカで約6億人が未電化地域で生活を送っています。

WASSHA社は未電化地域に住む人々、特に安定した所得を持たないBOP(Base of the Pyramid)層の人々にとって、自分の収入に合わせて必要な時にのみ電力を利用できる「レンタル」が最善の選択肢と考え、遠隔制御可能なLEDランタン、ランタン制御用のスマートフォンアプリケーション等を開発し、世界初のレンタル形態による未電化地域向け電力サービス「WASSHA」を、未電化地域に根ざした小型店舗(キオスク)を通じて提供しています。

サービス開始以来、約4年間でWASSHAの提携キオスクは1,100店舗を突破、毎日数万人のエンドユーザーが「WASSHA」を利用しており、未電化地域に根ざした電力を提供しています。

なぜWASSHAはタンザニアで普及するのか!?

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WASSHA社が提供する未電化地域向け電力サービス「WASSHA」には、未電化地域での事業展開を行う上で欠かせない特徴を備わっています。

1) 他に類を見ないローカルネットワーク

WASSHA社は現在120人以上のローカルスタッフを抱え、1,100店舗以上のキオスクネットワークを構築しています。WASSHA社以外にも未電化地域向けに電力機器(ソーラーパネル等)の 「販売」を行っている企業は複数ありますが、WASSHA社のように現地でのディストリビューションネットワークを構築している企業はありません。

2) テクノロジーを活用した「信用創造」

サブサハラ以南アフリカのような開発途上地域で事業展開を行う上では、「従業員が指示通り営業をしてくれるか」「提携キオスクが想定通りプロモーションを実施してくれるか」「エンドユーザーが期日までにレンタルしたLEDランタンを返却してくれるか」など、日本で事業を展開する場合に比較して何倍、何十倍もの不確実性のコントロールが必要となります。

WASSHA社はLEDランタンの遠隔制御、キオスク開拓アプリケーション、営業支援アプリケーション、在庫管理アプリケーションなど、各種アプリケーションを自社開発し、展開することにより、日本で事業を展開する場合と同じように、従業員を、提携店舗を、エンドユーザーを信用できる状況を作り出しています。

3) お金を支払った分だけ利用できるシステム

アフリカの未電化地域に住む人々は、安定した職を持たず、収入が安定しないため、太陽光パネルやLEDランタンのような高価な照明機器を一括で購入することは非常に困難です。

WASSHA社は現地のフィンテックテクノロジーであるモバイルマネー(携帯電話を介した送金システム)と自社システムを連携し、お金を支払った場合のみLEDランタンを使用できる仕組みを自社開発しています。その結果、安定した収入を持たない人でも、お金があるときにだけサービスを利用することが可能です。

関西電力との業務提携!

WASSHA社はこれまで独力でサービスの提供エリアを拡大してきましたが、WASSHAの浸透率は タンザニアだけで見ても約0.5%、サブサハラ以南アフリカ全体ではその数百分の一しかなく、未電化地域に住む大多数の人々は、火事や呼吸器疾患のリスクを抱えながらロウソクや灯油ランプを利用して生活をしています。

そこで、サービスの提供エリアを一気に拡大し、より広範囲の人々に電力を提供するべく、最大でキオスク7,500店舗分の機材を関西電力がサポートし、WASSHAが機材をキオスクへ導入、エンドユーザーが利用した料金の一部を関西電力へ分配するというレベニューシェアモデルでの事業提携に至りました。

WASSHA社が培ってきた現地でのオペレーションに、関西電力の持つ電力にかかる知見やノウハウを加えることによって、当該事業の拡大を目指します。

また、WASSHA社は関西電力と将来的にLEDランタンのレンタルに関するビッグデータを解析し、レンタルではなく購入が適したユーザーに対する電力機器の販売、個人向けの電力レンタルではなく、地域としての電化が適した地域に向けたミニグリッドの展開等、エンドユーザーの経済面での発展に合わせた各種電力サービスについても共同で実施することを検討しています。

加えて、WASSHA社としては本協業を通して、積みあがる約1万店舗(うち7,500店舗が当協業によるもの)のキオスクネットワークを活用し、キオスク向けのEコマースサービス、キオスク向けのSaaSサービス、キオスクをハブにした未電化地域エンドユーザーに向けたEコマースサービス等、各種サービスの展開を進め、アフリカ未電化地域の発展に貢献を目指します。

ビジネスを通じて、アフリカの課題を解決したい

本業務提携に関して、WASSHA社の代表取締役CEOである秋田智司氏は、下記の通りコメントを発表しています。

「アフリカは、潜在的な市場の大きさに加えて、テクノロジーを活用した地域独自のサービスの開発・普及が進む非常に魅力的な市場です。

創業当初、アフリカ市場の魅力に魅せられた欧米中印の企業が続々と参入している中、日本企業の進出はとても限定的でした。そんな中、ビジネスを通じて、アフリカの人々が抱える課題を解決したい、その結果として日本企業のアフリカ進出に向けた橋頭保を築きたいという想いで、2013年にWASSHAを創業しました。

これまで、産官学の様々な方からのご支援を頂き、低所得層向け電力サービスを開発し、日本では考えられないような課題を一つ一つ解決しながら、タンザニアでの事業化に取り組んでまいりました。

そして2019年8月現在、120名の現地従業員を採用し、1,100超のキオスクと契約を結び、全く電気にアクセスできなかった数十万人の人々が電気を簡単・気軽に利用できる環境を提供し、一万人超の雇用を創出しております。同時に、ビジネスとしてもユニットエコノミクスの健全化を達成し、事業拡大の素地を確立するに至りました。

今回、関西電力さんとの業務提携によって、より迅速・広範囲にWASSHAのサービスを拡大させ、より多くの人々に電気のある暮らしを届けていきたいと考えています。

また、これから一万店舗超となる契約キオスクから取得する電力利用データを活用し、関西電力さんの知見やノウハウを組み合わせることで、新たな電力サービスを創出し、オールジャパンでアフリカの電化を進めていきたいと考えています。

また、アフリカではテクノロジーの普及により、先進国とは異なる経済発展の仕組みが形成されようとしています。弊社は「Power to the people(ビジネスを通じて人々をエンパワーする)」というミッションを掲げており、

今後は、電力サービスに限らず、現地の社会課題の解決や人々のエンパワーメントに繋がる新しい商品・サービスを生み出してまいります。」


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