国際協力機構(JICA)は、2019年4月に中小企業・SDGsビジネス支援事業の2019年第1回の公示を行い、合計100件の採択を決定しました。採択された案件の地域別割合は、東南アジア・大洋州が最大であり、次にアフリカ地域となりました。アフリカを対象とする案件の採択件数は26件と過去最大となっています。
JICA、企業の途上国へのビジネス展開を支援!
中小企業・SDGsビジネス支援事業は、開発途上国の開発ニーズと日本の民間企業などの優れた製品・技術とのマッチングを行い、「SDGs達成に貢献するビジネス(SDGsビジネス)」及び開発途上国の課題の解決を図り、ODA を通じた二国間関係の強化や経済関係の一層の推進を目的としている事業です。
JICAでは、2018年第2回公示から、これまでの民間連携事業と中小企業海外展開支援事業を整理し、新制度「中小企業・SDGsビジネス支援事業」として一体的に実施しました。
提案企業の規模に応じて「中小企業支援型」と「SDGsビジネス支援型」の二つの区分を設定し、それぞれ海外展開に向けた準備状況に応じて選択しやすいよう三つの事業(基礎調査、案件化調査、普及・実証・ビジネス化事業)を設けました。
採択された案件の地域別割合は、東南アジア・大洋州が最大(48%)であり、次にアフリカ(24%)、南アジア(10%)の順となっています。分野は、農業(18%)、環境・エネルギー(11%)、廃棄物処理(11%)が上位を占めました。
また今回の募集にあたっては、8月28日~30日に開催された第7回アフリカ開発会議(TICAD7)への貢献策の一環として、事前に企業を対象としたアフリカ・スタディツアーを実施しました。それに加え、JICAよりアフリカの具体的なニーズ・課題を提示し、それに資するビジネス案の応募勧奨を行いました。今回、アフリカを対象とする案件の採択割合は、過去最大となっています。
途上国での事業開発を目指す!基礎調査!
JICAは、中小企業が保有する優れた製品や技術力を開発途上国の経済社会開発に活かすため、情報収集や事業計画立案のサポートやJICAなどが行うODA事業との連携検討を目的に、基礎調査を実施しています。アフリカ案件については5件が採択されました。
- 【ケニア】株式会社ライフビジネスウェザー:気象情報を活用した農家の生産性向上のための基礎調査(農業)
- 【ケニア】 株式会社川西水道機器:水道施設における無収水対策に係る基礎調査(水の浄化・水処理)
- 【ケニア】高砂工業株式会社:自立型炭化技術による石油産業由来の汚染土壌・油性廃棄物処理基礎調査(廃棄物処理)
- 【タンザニア】株式会社川上木材/有限会社サンケイ:持続的な森林経営のための宮崎型木材産業振興に関する基礎調査(職業訓練・産業育成)
- 【ルワンダ】レックスバート・コミュニケーションズ株式会社:イノベーション創出に向けたBtoBマッチングプラットフォーム事業のための基礎調査(職業訓練・産業育成)