ケニア出身のジャスタス氏は、故郷アフリカの人々の栄養失調をシロアリ昆虫食で救うために、「Mr.シロアリマン」として活動しています。今回は、Mr.シロアリマンが取り組む「世界8億人の栄養失調を救う「シロアリ昆虫食」普及プロジェクト」について、シロアリが持つ可能性と4つの特性と共にご紹介します。また2019年9月30日までクラウドファンディングにも挑戦しています。

シロアリが世界の栄養失調を救う!?

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2018年、世界の慢性的栄養失調者の数は8.2億人にまで拡大しています。こうしている間にも、1時間に5万人ずつ栄養失調で苦しむ人が増えていっている歯止めのきかない危機的な状況です。

やがてアフリカや中国の人口増加や経済発展におされ、遠くない将来に日本にも食品価格高騰などの形でそのひずみが到達してしまう可能性もあります。

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そこで昆虫食が未来のタンパク・栄養源として注目されています。中でも、注目され始めているが、「シロアリ」です。

実際、ケニアではシロアリを食べる文化があります。このシロアリは、現地スワヒリ語でクンビクンビ(kumbikumbi)と呼ばれ、先祖代々とても栄養が高いと言い伝えられていました。

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伝統食として国からも推奨されてり、ケニア保健省(The Ministry of Health, Republic of Kenya)が発行しているレシピ本にもシロアリ料理のレシピが掲載されています。

シロアリが持つ4つの効果

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特性① シロアリの高い栄養価

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アフリカやアジアの栄養失調がおきている地域で足りていない栄養は、タンパク質、亜鉛、鉄分、ビタミンA、ビタミンB2の5つのです。

現地にはヤムイモやキャッサバ、コーンなどを中心とした食文化があり、エネルギーはとれるものの、肉などのタンパク源やビタミン・ミネラルを含む食材はとても高価です。そのため必要な栄養素は欠乏してしまっています。

上の5歳未満の子どもたちが1日にとるべき5つの栄養素の量です。そして緑の部分が、現地のオオキノコシロアリ(macrotermes bellicosus)というシロアリ種の100g(乾燥後の重量)の栄養素です。

試算した結果、1食あたり「たった大さじ一杯半」のシロアリで必要な栄養をほぼ摂取できることが判明しました。

コオロギや、バッタやゾウムシ、ミールワームなど他の昆虫も同様の栄養素を含んでいますが、現地ですぐ獲れ、不足する栄養素をバランスよく含んでいる昆虫や代替食物はシロアリが最も最適でした。

特性② 世界でシロアリを食べる人の多さ

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シロアリは世界29カ国で45種類が食事や医療に用いられています。

シロアリ食に関する研究論文は世界中で発表されており、赤道に沿ったアフリカ、ラテンアメリカ、南アジア、オセアニアで、シロアリを食べる文化が確認されています。ケニアにおいては80%がその文化を知っているという調査結果もあります。

シロアリ食の認知が広がることで、はじめて食べる時の抵抗感は大きく減少します。食文化の範囲も広く、また認知度も高いことは、栄養食として普及していく上で、とてもプラスになります。

特性③ケニアのローカルフードとの親和性が高い

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慢性的栄養失調の問題は解決するためには、現地に文化として定着する必要があります。それの1つの解が、シロアリの乾燥・粉末化によるローカルフードとの融合でした。

シロアリをいくつかの現地の料理と混ぜてみた結果、料理の色や食感を変えることもありませんでした。乾燥シロアリの粉末は、まるで空気のように現地の料理と融合するのです!

チャパティやウジのような小麦粉やお粥のベーシックな料理は、世界各国にあります。これにシロアリ粉をまぜることで、必要な栄養を無理なく摂取ができます。これは世界8.2億人の栄養失調を改善するとてつもない可能性を秘めてます。

特性④シロアリはほぼ無限にいる

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シロアリは地球上で最も個体数の多い生物と言われています。世界の熱帯地域において、シロアリはバイオマス(簡単にいうと生物の量)の約10%もの量を占めています。

さらに驚くことに、熱帯の土に生息する昆虫の最大約95%がシロアリなのです。これは想像を絶するようなとてつもない量です。

シロアリで故郷ケニアを救う!

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この様なシロアリの特性をいかして、世界の慢性的栄養失調を解決するために活動しているが、ケニア出身のジャスタス氏こと「Mr.シロアリマン」です。R1ぐらんぷり2019アマチュア決勝進出、NHKラジオ出演、JICAで講演、グロービス経営大学院のクラブ活動で登壇、日本テレビ、TBSの番組に出演などなど… さまざまな活動をしています。

そして先日、チーム Healthy Termite Productionと共に、「世界8億人の栄養失調を救う「シロアリ昆虫食」普及プロジェクト」をスタートさせました。

まずは故郷アフリカの人々の栄養失調をシロアリ昆虫食で救うために、でクラウドファンディングに2019年9月30日まで挑戦しています。

ケニアの地方都市ケリチョの3つの小学校・幼稚園で、(1) シロアリを使った持続可能な栄養改善、および、(2) シロアリを安定的に供給するための技術確立のための事前調査を実施します。

1) シロアリを使った持続可能な栄養改善

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まずは、それを現地の人々それぞれが理解して「実際に食べる」という自らの体験を通して「継続的に食べたい」と思うことが必要です。

そのために、私たちはケニアの小学校・幼稚園の先生と子どもたちに4つの取り組みを実施します。

  1. 栄養講座:人が健やかに成長し病気にならないためには、どのような栄養素が必要なのか?子どもたちでも理解できる講座を行います。
  2. シロアリの栄養講座:シロアリにはどの栄養が含まれており、どのぐらいの分量を食べればいいのかを説明します。高価な牛肉や豚肉などと比べて、栄養やコストパフォーマンスがいかに優れているかも説明します。
  3. シロアリレシピ伝授:シロアリの加工・調理方法を伝授します。現地で行える乾燥〜粉末化の方法を説明し、それをウジやマンダジなど、いつも食べている料理にどのように混ぜて調理すれば良いのか、どのように食べれば良いのかを伝えます。
  4. シロアリ料理試食会:シロアリを食べた時、どのような味がするのかを体験してもらいます。抵抗がある人もない人も、無理なく毎日続けられることを、体験を通して理解してもらいます。

これらを子どもたちへの講座を通じて、先生たちを中心とした大人の方々にもパッケージとして展開し、上記の知識をコミュニティに広めていける状態を作っていきます。

2) シロアリを安定的に供給するための事前調査

シロアリを安定的に収集し供給する方法を実地調査によって科学的・定量的に構築し、他のエリアにも広げてく取り組みも実施します。

  1. シロアリの種別の調査と栄養素分析:現地で伝統的に食べられているシロアリが、生物学上の分類では何にあたるのか?また、実際に栄養価が高いのか?学術論文で発表されている情報を自らの調査によって検証し、信頼できるデータとして利用できるようにします。
  2. シロアリのバイオマス量(生物の量)調査方法の選択:食料としてのシロアリを十分に安定的に供給できるかどうか、科学的調査を行います。調査方法は、土壌をサンプリングして計測する方法や、ドローンで空撮して計算する方法など、さまざまな選択肢が考えられますが、実地を見て確認することで何が最も適しているかを考察します。
  3. シロアリの効率的、安定的な供給方法の事前調査:シロアリの採取方法としては、伝統的手法を現代のテクノロジーに置き換えて効率的に採取したり、養殖したり、シロアリの嗅覚が好む物質で誘引したりなど、さまざまな方法が考えられます。まずは実地のフィールドワークを通して、何が最も実現性・持続可能性・コストパフォーマンスとして優れているか、調査をします。

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Mr.シロアリマンチームのビジョンは「人々に必要な栄養を安価で提供し、地球の豊かさも再生させる」ことです。シロアリ食の供給における問題解決、需要に的確に応える検証を通して、まずはケニアのケリチョ郡で持続可能なサイクルを確立します。

その後、壮大ではありますが、人口の増大し食糧難が訪れるであろうアフリカ全土、アジア、ラテンアメリカへ展開し、世界8億人の慢性的栄養失調の問題改善を進めます!

ぜひMr.シロアリマンチームの活動へのご支援よろしくお願いします。

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