はしかやコレラ、新型コロナが感染拡大!コンゴ民主、医療システムの崩壊のリスク高まる!

ユニセフ(国連児童基金)は、コンゴ民主共和国が何千人もの子どもの命を奪うはしかやコレラの蔓延、さらには新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大のリスクに晒されていると2020年4月1日に発表しました。コンゴ民主は、医療システムの崩壊に直面しており、緊急の支援を必要としています。

はしかやコレラ、新型コロナが感染拡大!

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写真:マンジナにあるユニセフが支援する保育所で、エボラ出血熱に感染した母親を持つ子どもを抱くスタッフ。(2020年1月20日撮影) © UNICEF_UNI312451_Brown

ユニセフは、4月1日に発表された報告書は、コンゴ民主共和国の東部において現在も続くエボラ出血熱への対応の結果、いくつもの感染症に対処するためすでに疲弊していた医療保健施設において、人材や設備などの資源がさらに不十分になっている現状を明らかにしています。

2019年の初め以来、「世界最悪の流行」と言われるはしかの蔓延によって、5,300人以上の5歳未満の子どもの命が奪われました。同時に、コレラの症例は約3万1,000件に上っています。

また、現在新型コロナ(COVID-19)の感染数が急激に増加しており、アフリカで最もリスクの高い国の1つであるとされるコンゴ民主に、大きな課題をもたらしています。

公衆衛生センターでは、設備、訓練を受けたスタッフ、資金が深刻に不足しています。多くの施設には、安全な水と衛生の設備さえなく、すでに低かった予防接種率は、過去1年間の間に、複数の州で急激に低下しました。

多くの子どもに影響が!?

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写真:キンシャサ郊外の保健センターで、はしかの予防接種を受ける赤ちゃん。(2020年1月29日撮影) © UNICEF_UNI312443_Brown

コンゴ民主共和国の推定330万人の子どもが、重要な保健ニーズを抱え、それが満たされない状態にありますが、国全体では、18歳未満人口の約5分の1にあたる910万人の子どもが人道支援を必要としています。

最も弱い立場に置かれた子どもの多くは、紛争の影響を受け、エボラ出血熱の流行する東部の3つの州に暮らしています。保健センターを標的とした攻撃を含む、残虐な暴力により、2019年だけでも100万人近くの人々が自宅からの避難を強いられ、子どもたちが不可欠な医療ケアにアクセスすることがさらに困難になりました。

マラリア、はしか、コレラの流行は、コンゴ民主内のあらゆる場所で死をもたらす脅威となっています。報告書では、以下が指摘されています。

  • 2019年には約1,650万件のマラリア感染が報告され、約1万7,000人が死亡した。 この感染症の影響を最も強く受けているのは、5歳未満の子どもである。
  • はしかの症例数は2019年から2020年の間に急増、国全体で33万2,000人に達し、同国の歴史上最悪の流行となった。報告された6,200人以上の死亡者のうち、約85%が5歳未満の子どもである。
  • コレラも多発しており、多くの家族が飲用や洗濯に使用する汚い水や、衛生状態の悪さが原因である。コレラによって、2019年には約540人の命が奪われた。症例件数のうち、子どもは約45%を占める。

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写真:国内避難民キャンプの衛生状態は悪く、開いたままだったり化膿してしまった傷が手や顔に残る子どもたちが多くいる。(2020年2月14日撮影) © UNICEF_UNI308351_Desjardins

ユニセフ・コンゴ民主共和国事務所代表のエドゥアルド・ ベイグベデル氏は、「コンゴ民主共和国の基本的な医療保健ケアのシステムを強化することは絶対に不可欠。遠隔地の農村を含め、保健施設が予防接種、栄養およびその他の必須とされるサービスを提供する手段を持たない限り、多くの子どもたちの生活と未来が予防可能な病気で脅かされるリスクがある。」と述べました。

本報告書を通じて、ユニセフは政府に対し、妊娠中の女性、新生児や幼児を支援する重要な保健医療サービスに予算をより多く配分し、定期予防接種の強化を優先するよう求めています。


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