信用スコアを活用してケニアの貸出金利の低下を目指す!~HAKKI AFRICAに聞く!Vol.2~

ケニアでマイクロファイナンス事業に取り組む日系スタートアップである”HAKKI AFRICA Inc.”のファウンダーの小林嶺司さん(CEO)と時田浩司さん(COO)のお二人にインタビューを実施しました。

HAKKI AFRICAが目指す、アフリカにおける新たなマイクロファイナンスの仕組みについて4回に渡ってじっくりと伺っていきます。

Vol.2では、マイクロファイナンス事業の内容や事業の将来についてお話をお聞きしました。

現地の課題と事業内容に迫る!

アフリカクエストで理事を務めている原です。

本日はHAKKI AFRICA Inc.のCEO小林さんとCOO時田さんに、2人が新たに始められたマイクロファイナンス事業について、さらに突っ込んでお伺いさせていただきますので、よろしくお願いします。

ケニアのファイナンス事情!

マイクロファイナンスをやる、ってなってから早かったなって感じするよ。

マイクロファイナンスの事業自体って実際どんなものなの?

小規模事業者を対象とした企業向け(To B)の融資をやっています。

ケニアでは、2~3種類くらいの融資があります。

1個目が、アプリ型って言われるマイクロファイナンスです。

スマートフォンアプリで申請し、M-PESA(ケニアのモバイルマネーサービス)で送金される。

これは、返済率が低いんですよね。

これは、To B向けというより、消費者金融として誰でもできるんですよね。

ケニア人ってあんまり自制できない人が多くて、ギャンブルの様なあまりよろしくないものに使ってしまう。

そこで、ToBに特化して、きちんと審査して、事業を伸ばすため、国が伸びるようにやってもらう。

もう1個の方が、支店型の人海戦術で融資する方法です。

グラミン銀行などの典型的なマイクロファイナンスは、90年代から存在しているんじゃないかと思うんですが、ケニアでは既にいくつも存在していました。

融資に労力がかかる分、高金利で月利30%とかになってしまうんですよね。

この2つは両極端なんですが、これまではこの間、つまりハイブリッドが存在していなかったです。

パワー面も人海戦術でなく、ITを利用することでコストを抑えつつ、しっかり審査をしてギャンブルとかには知らないようする、金融教育もやるハイブリッドの存在を目指してやっていきたいと思っています。

ただの金貸し!?現地からの反応は!?

周りの人たちから、「ただの金貸しでしょ?」ってことを結構言われると思うけど、それに対してどう思っている?

難しいですね。うちは、月利30%のところに対して、10%以下から20%くらいのレンジでやっています。

信用スコアリングをしっかり行い、グッドカスタマーとなる人には、どんどん低金利にしたり、ちゃんと返済をすればもっと高い金額にアクセスできるようにしていったりしたいと思っています。

けど現時点でいうと、確かに、日本でいう闇金と言われるレベルの金利になっていて、下げたいなとは思っています。

逆に下げすぎるとまた問題があって、例えば、ギャンブルに走って、破綻している人がこっちに来てしまうんですよ。

なので、最初は高いままやって、だんだん下げていく感じにしようと思っています。

ただデータベースが問題で、いかに顧客の情報をデータとしてためることができるかが勝負所と考えています。

僕もほんとにそのデータを集めるという一手に尽きると思っています。

今は、普通に高金利でお金を貸すことになっているけど、ほかの所よりは低くしていることにメリットがあるでしょってことがあって、もっというとデータをどれだけ集められて活用できるかってところができると、また違った形が見えてくると考えています。

審査などの人力でやっているものを排除して、データの量質を工夫しています。

これをやっていることで、既存のマイクロファイナンスとは全然違ったレベルの融資ができ、マイクロファイナンス以外のサービスも提供できる可能性が多いになると思っています。

なんで、今はそれを言われても個人の価値観として受け流すだけですね。

データを集める上でファイナンスは有効!

僕も信頼のスコア化みたいなのをやりたいと思っていて動いたこともあったんだけど、結局マイクロファイナンスの現状として、ムハマド・ユヌスのやっている様にグループを作って、そのグループとして信頼で融資していますよね。

で、小林さんたちがやっているのは、デジタルを使って、信用スコアリングをしっかりして個人として信頼を残して、データ化して事業につなげることだよね。

データを集める上で、ファイナンスが一番有効だと思っていて、お金を貸すことプロセスで、いろんな情報を取得できるんですよ。

アフリカで事業をする上で、どうやってデータを集めようかずっと考えていたんですが、ファイナンス事業を初めて1週間くらいでこれはヤバイと感じるくらいデータが集まって、何でも答えてくれるし、時間も使ってくれる。

これは、絶対、いけると思いました。

アフリカの中小規模の事業者の完璧なデータベースなんかは今まで存在しないはずで、ただそれに近しいものを自分たちが情報を通じて、作れているんじゃないかと思います。

どんな業種でも、お金が必要なことは共通していて、僕らが低金利で提供するのは、相手からしても既存のモノからすぐに変えられるので、すごい早いスピードで、データをかき集められるっていうのは実感としてあって、そこを励みに他に展開していくのを僕はやりたいなって思っています。

確かに、人の情報を集めるのって、めちゃくちゃ大変ですよね。

僕も今、医者向けのプラットフォームを作ろうとしているけど、名前と何をやっているかくらいならまだ集まるけど、もうちょっと深いデータが集まらなくて、電話してお金を払って聞いてるんだけど、お金を貸すプロセスで情報を集められるのは凄いね。

一応、利益も出しつつできるっていうのは、本当に面白いです。

マイクロファインスが持つポテンシャル!

これがナイロビだけでなく、地方だったり、国を超えたり、ケニアだけの経済圏だけでなく、東アフリカの経済圏までに広がれば、事業をやっている人たちにとってもプラスだよね。

例えば、ウガンダでやっている人がケニアに進出するときとか。データが集まっていれば、お金を貸したりとかもできるし。

将来的には、その規模までやりたいとおもっていて、たとえば、信用スコアリングの情報をヨーロッパだと個人情報を持ち出せないけど、ウガンダの企業と組んで、この事業とは取引しても大丈夫ですよっていうその人の証明となる。

越境的にパスポートになれば面白いかなって思っている。

これって雇用にもつながるよね。やっぱ、信頼してない人を企業からすると雇いたくないからさ。

長い目で見れば、今、個人事業主としてやっている人たちもどっかで正規雇用に代わるはずなんで、そのときに効いてくるかもしれないです。

話を聞いてると本当に事業のスケールが大きいね。

ほんとうにそうなんです。これが伝われば上手く伝わればよいんですが。

ありがとうございました。

次回は、2人の事業の変遷やチャレンジングな点や、事業のソーシャルインパクト、ケニアの課題を語っていただきます!

インタビュー動画はこちら!


次回Vol.3は5月19日(火)公開予定です。お楽しみに!

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください