今回よりAfrica Quest.comが注目するアフリカビジネスを紹介していきます。第1回は、エジプトやサウジアラビアなどでデジタル医療サービスを展開している「Vezeeta」です。
インターネット上で、病院の予約や医師の評価を確認することができ、より正確かつ簡単に医療機関へアクセスすることができ、待ち時間の削減や適切な専門医へのアクセスがより容易になります。
新たな医療の形として今、注目を浴びています。
デジタルの力で医師と患者をより身近に!
Vezeetaは、エジプト、サウジアラビア、レバノン、アラブ首長国連邦など、主にMENA(中東・北アフリカ地域:Middle East & North Africaの略)でサービスを展開しているデジタル医療ケアのプラットフォームです。
会社名Vezeetaは、アラビア語で「医療のチケット」という意味があり、それに由来しています。
主に医師、診療所、病院の予約や、診断情報の記録、医者の評価を行うことができ、患者が適切な医療機関にアクセスできるようになっています。
2019年までに2,300万ドル(約23億円)を調達しており、シリーズDの資金調達を行った際には、中東やアフリカで積極的に投資活動をしている大手オルタナティブ資産運用会社であるGulf Capitalが4000万ドル(約40億円)を投資しており、まさに今勢いのあるビジネスです。
また、今後はオンライン薬局やテレヘルスサービスなど、新たなサービスを開始し、展開する予定です。
予約がシンプル化して待ち時間が短縮!
現地では今まで、医者の評価や専門などの情報がなく、各地域において適切な医師を探すことが非常に困難でした。
また医療記録が不足しているために、医療事故や過誤の原因になる恐れがあり、加えて患者の待ち時間が長く診療のアクセスが悪いことも大きな課題と考えられていました。
近年、域内における人口増加率が2倍近くと著しく高く、市場規模のさらなる拡大が見込まれています。
それに伴い、医療アクセスのデジタル化は、以下のような成果を得ることができます。
- 利用者はプラットフォーム上の評価などから自身の症状に見合った適切な医者を選ぶことができる。また、予約状況がインターネット上で把握できるので、患者、医師双方に都合の良い時間に来院することが可能となる。
- 医者は信頼性の向上や診療データの蓄積、アポイントメントを簡素化することで空いた時間に効率よく患者を診察することができる。
医師と患者の生活を向上し、医療分野をリードする!
Vezeetaの検索スペースでは、医師の専門分野、利用者が居住している地域・都市、医師の名前などから医療施設を選択でき、名前等を入力して予約する仕組みになっています。
また、無料で様々な専門分野の医師に電話することが可能となっており、患者が自身の不調について気軽に相談することができます。
登録している医師はおよそ6,000人、月間で約60,000人が予約しており、MENA全体で100万人のユーザーが利用しているとされています。
他のオンライン医療サービスとして、tabibiやYa Doctoryなどがありますが、これらは、利用者の家庭に直接に医師を派遣するサービスを展開しているという点で異なります。
現在、コロナウイルスが世界中で蔓延していますが、この機会を契機に医療のオンライン化やデジタル化がより一層発展すると思われます。
今後このような新しい医療サービスの形が当たり前になる日も遠くないかもしれません。
動画でビジネスモデルを解説!
Vezeetaのビジネスモデルを動画でも解説しています。こちらも併せてご覧ください!