ケニアとタンザニアで家電の所有状況や好きな家電メーカー、携帯電話メーカーを聞いてみた。

株式会社ビィ・フォアードが運営するアフリカマーケットリサーチでは、ケニアとタンザニアのリサーチ会員に「家電」に関するオンラインアンケートを実施しました。

今回の調査は、2022年1月28日から2月4日の1週間、ビィ・フォアードリサーチ会員641名を対象に行い、ケニア・タンザニアにおける家電の所有状況や好きな家電メーカーなどをまとめました。

所有する家電:デジタル家電の普及率が高い

  • 「スマホ」「テレビ」「オーディオ機器」「パソコン」などのデジタル家電が「冷蔵庫」「電子レンジ」などの白物家電の普及率を超える

今現在、所有している家電をすべて選んでもらいました。

ケニアで最も所有率が高かったのは、「スマホ」(94.7%)、次いで「テレビ」(82.6%)、「ガスコンロ」(69.5%)、「オーディオ機器」(68.1%)、「パソコン」(60.3%)という結果になりました。

日本では冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、掃除機などのいわゆる「白物家電」の普及率は95%を超えており、炊飯器や冷房も80%以上の普及率となっていますが(*1)、ケニアでは、「冷蔵庫」(53.5%)、「電子レンジ」(33.0%)、「洗濯機」(16.0%)、「炊飯器」(12.1%)、「掃除機」(9.6%)、冷房(8.2%)という比較的低い所有率でした。

デジタル家電の所有率が非常に高く、白物家電の所有率がそれを大きく下回るというのは、興味深い結果です。近年、アフリカでは水や電気などの生活インフラが整っていない地域でも、スマホを使った電子決済サービスなど最先端技術を使ったサービスが広く受け入れられるといったことが多く見られます。

いわゆる「リープ・フロッグ現象」と呼ばれる現象で、ある国が既存の技術を経ずに一気に最先端の技術に飛ぶことを指し、まさにデジタル家電の方が白物家電の所有率よりも圧倒的に高いのは、この象徴と言えるかもしれません。

また、アフリカでは比較的低価格でメイドを雇うことができるので、掃除機や洗濯機などの家電に頼らなくても生活が成り立つことも背景にあると考えられます。

続いて、タンザニアの回答です。タンザニアもケニアと同様に、「スマホ」(90.8%)、「テレビ」(73.0%)、「オーディオ機器」(72.1%)、「パソコン」(63.2%)といったデジタル家電が所有率のトップにランクインしました。

「冷蔵庫」(58.5%)、「ガスコンロ」(53.5%)、「アイロン」(51.0%)などの所有率が他の家電より比較的高いのは、ケニアと同じ傾向です。多くの調理家電はケニアの方が所有率は高い傾向ですが、「炊飯器」はタンザニアで30.6%、ケニアで12.1%の結果となりました。

タンザニアとケニアで差が見られたのは、冷房・暖房器具です。ケニアの首都ナイロビの気温は12℃~27℃と、赤道直下でも標高が高いため、一年を通して過ごしやすい涼しい気候です。一方、タンザニアの主都ダルエスサラームの気温は20℃~32℃で湿度が高く蒸し暑い気候です。

それを反映するように、タンザニアでは「冷蔵庫」(58.5%)、「扇風機・シーリングファン」(41.5%)、「冷房」(11.7%)の回答だったのに対して、ケニアでは「冷蔵庫」(53.5%)、「扇風機・シーリングファン」(18.8%)、「冷房」(8.2%)、と冷房器具の所有率が低い結果となりました。

居住地域にもよりますが、ケニアでは「暖房器具」(24.1%)の方が「冷房」(8.25)よりも所有率が高くなりました。

所有する家電(月収別): 低所得層にも必須のスマホ

  • 「スマホ」「テレビ」は全ての所得層に需要がある
  •  収入が上がると所有率が高い「冷蔵庫」。一方、「洗濯機」は収入に関わらず所得率は低め

ケニアの月収$100以下の層で一番普及している家電は「スマホ」(88.7%)、次いで「テレビ」(61.3%)、「オーディオ機器」(58.1%)、「ガスコンロ」(48.4%)、「アイロン」(37.1%)という結果になりました。

日本では普及率の高い冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機などの白物家電は30%以下の所有率でした。 対して、月収$1,500以上の富裕層では、「冷蔵庫」(94.1%)、「電子レンジ」(82.4%)、「オーブン」(70.6%)、「掃除機」(64.7%)など、白物家電の所有率が高い水準となっています。

圧力調理器、ホットサンドメーカーなどの調理家電も収入が多いほど所有している割合が高く、富裕層への需要があることが伺えます。一方、洗濯機・乾燥機、冷房、炊飯器、暖房器具、食器洗い乾燥機、空気清浄機は富裕層でも所有率が50%以下となっており、比較的需要が低いといえます。

タンザニアの月収$100以下の層で一番普及している家電は「スマホ」(85.8%)、次いで「オーディオ機器」(62.3%)、「パソコン」(53.8%)、「テレビ」(43.4%)、「ガスコンロ」(34.0%)という結果になりました。それ以外の家電は、所有率30%以下という結果になりました。

月収$100以下の「冷蔵庫」の所有率は26.4%でしたが、月収$101~399の層では62.5%、月収$400~$799の層では86.9%、$800以上の富裕層では90.6%と、月収$100以下と以上の間で冷蔵庫の所有率に大きな差があるといえます。

タンザニアの「洗濯機」の所有率はケニアよりもさらに低く、月収$800以上の富裕層でも28.1%となりました。洗濯機を使うためには電気だけでなく安定的な水の供給も必要なため、断続的な断水のある地域では手洗いが以前好まれているのかもしれません。

家電を購入する場所は?ケニアとタンザニアで大きな違い

どこで家電を購入することが一番多いかを選んでもらいました。

  •  ケニアは「スーパーマーケット」や「ネットショッピング」で購入が多い。
  •  タンザニアは「町の電気屋さん」が主流。

ケニアでは「スーパーマーケット」(32.6%)で家電を購入すると回答した人が最も多く、次いで「ネットショッピング」(26.2%)、「町の電気屋さん」(19.9%)、「大型家電量販店」(19.1%)という結果でした。

ケニアには、いわゆる「ハイパーマーケット」と呼ばれる、食料品以外にも家電や衣料品など多くの商品を取り扱うスーパーが多く参入しています。フランスの小売り大手カルフールは2021年時点で10店舗、地場スーパーのナイバスは2020年時点で64店舗を展開しています。

これらの大手スーパーはネットショップも運営しており、スーパーマーケットの次に「ネットショッピング」で家電を購入すると答えた人が多かったのも納得です。スーパーの他にも、ホットポイントのような大型家電量販店もネットショップに参入しており、ナイロビやモンバサでは送料無料サービスも行っています。

一番好きな携帯電話メーカー

  • SAMSUNGがケニアでもタンザニアでも一番人気

一番好きな携帯電話メーカーをひとつだけ選択してもらいました。

ケニアで一番人気の携帯電話メーカーは「SAMSUMG(34.8%)」、次に「TECNO(19.9%)」、「Apple(12.4%)」、「HUAWEI(9.9%)」、「Oppo(8.2%)」、「Nokia(4.6%)」、「Infinix(3.6%)」、「Xiaomi(2.5%)」、「Sony(1.4%)」という結果となりました。

韓国、中国、米国とグローバルな企業が名を連ねていますが、中でもTECNO、HUAWEI、Oppo、Infinix、Xiaomiと中国のメーカーが5社ランクインしており、アフリカのスマホ市場に積極的に参入していることがわかります。

タンザニアで一番人気の携帯メーカーは「SAMSUNG(39.0%)」、次に「Apple(27.0%)」、「TECNO(8.1%)」、「HUAWEI(5.0%)」、「LG(3.3%)」、「Oppo(3.3%)」、「Nokia(2.8%)」、「Sony(2.8%)」、「Xiaomi(2.2%)」、「Infinix(1.9%)」でした。

ケニアと比較すると、Appleの人気が高めのようですが、ケニアでもタンザニアでもSAMSUNGがダントツの人気を誇っています。

一番好きなテレビメーカー

  • 東アジアのメーカーが人気を占める

一番好きなテレビメーカーをひとつだけ選択してもらいました。

ケニアで一番人気のテレビメーカーは、携帯電話メーカーに引き続き「SAMSUNG(40.8%)」がトップとなりました。次いで、「LG(18.1%)」、「SONY(17.7%)」、「Hisense(16.0%)」という結果でした。

韓国のメーカーSAMSUNGとLGだけで6割近くを占めており、日本のSonyやPanasonic、中国のHisense、TCL、Skyworthと、東アジアのメーカーがケニアのテレビ市場を支配しているのが示されています。

タンザニアでも一番人気のテレビメーカーは「SAMSUNG(37.8%)」でした。ケニアと比較すると、「Hisense(22.0%)」、「LG(20.9%)」の人気も若干強い傾向にあり、「Sony(10.0%)」、「TCL(2.8%)」に差をつけています。

一番好きなオーディオ機器メーカー

  • オーディオに強いSONYがケニアでもタンザニアでも人気

一番好きなオーディオ機器メーカーをひとつだけ選択してもらいました。

オーディオ機器メーカーで一番人気は、ケニア・タンザニアともに「SONY(ケニア40.4%、タンザニア32.9%)」でした。次いで、「SAMSUNG」「LG」「JBL」「Panasonic」の順番でランクインしました。

一番好きな調理家電メーカー

  • ケニアでは地場ブランドが、タンザニアではグローバルブランドが人気

一番好きな調理家電メーカー(ブランド)をひとつだけ選んでもらいました。

ケニアで一番人気の調理家電ブランドは、「Ramtons(47.5%)」でした。Ramtonsは、KenyaのHypermarts社が運営する家電ブランドで、ケニアの台所用電化製品市場において絶大な人気を誇っています。

次いで、オランダの「PHILIPS(14.2)」、ケニアを初め東アフリカで展開する「MIKA Appliances(11.3%)」ブランド、ドイツの「BOSCH(6.7%)」、日本の「Panasonic(3.9%)」、「Toshiba(3.2%)」という結果になりました。

ケニアの調理家電市場では、RomtonsやMika Appliancesのような地場ブランドの存在感が際立っています。

タンザニアでは、グローバル企業が多くランクインしました。一番人気はオランダの「PHILIPS26.7%」で、次いで日本の「Panasonic(15.9%)」、ドイツの「BOSCH(11.7%)」、日本の「HITACHI(11.7%)」、「SHARP(7.5%)」、「Toshiba(5.0%)」という結果となりました。

「特に好きなブランドはない」と回答した人も13.6%いました。ケニアでは地場ブランドが大人気でしたが、タンザニアでは地場ブランドが発展しておらず、日本のメーカーの評判・人気が高いことが伺えます。

最もブランド力があると思う家電メーカー

  • 総合トップはSAMSUMG

最もブランド力があり、自分に影響があると思う家電メーカーを最大3つ回答してもらいました。

ケニアで一番影響力のある家電メーカー・ブランドは、「SAMSUNG(68.8%)」でした。次いで、「Sony(51.8%)」、「LG(41.8%)」、地場ブランドの「Ramtons(26.6%)」、「Apple(17.7%)」、「Tecno(17.4%)」という結果でした。

タンザニアで一番影響力のある家電メーカー・ブランドは、「SAMSUNG(75.5%)」でした。次いで、「Sony(48.7%)」、「LG(38.7%)」、「Apple(37.0%)」、「Kenwood(16.4%)」、「Nokia(13.4%)、「Infinix(13.1%)」という結果でした。

ケニアでも、タンザニアでもSAMSUNGが圧倒的なブランドパワーを発揮しています。

アフリカマーケットリサーチとは?

株式会社ビィ・フォアードが運営するアフリカマーケットリサーチでは、全世界200万人超の顧客リストや100以上の現地エージェントなどのネットワークを活用し、様々なアンケート調査や現地調査を実施しています。

アフリカで市場調査をされたい方、消費者の生の声を聞きたい方、コロナ禍で出張できずにお困りの方などにおすすめのサービスとなっています。ご相談は無料ですので、お気軽にお問合せください。

今回のアンケート調査結果詳細:こちらからアンケート結果の詳細が読めます。

過去のリサーチデータはこちらから。

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