アフリカ西部のセネガル共和国で電気と通信を未電化地域へと届けるデジタルインフラサービス事業を展開する TUMIQUI Japon SASUと、宇宙空間における光を利用した高速通信サービスを開発している株式会社ワープスペースは、アフリカの広大な面積と距離の枠を超えられる通信手段の構築に向けた実証試験の検討に関するMOUを締結しました。
今後ますます深刻化する世界の食糧問題に対し、アフリカを世界の食糧庫にしていく計画として、ワープスペースが構築する宇宙での通信網と、TUMIQUI Japon がセネガルで構築した太陽光エネルギー利用の通信拠点とを接続することで新たな通信を実現する見通しです。
アフリカに残る電気やインターネットアクセスの課題
アフリカの地方では未だに6億人が電気にアクセスできず、電話ができても高速に繋がるインターネット(4G/5G/固定回線)の無い地域や、全く電波のない地域が多く見られます。
仮に電力だけを充実させても、通信インフラの未整備による地方と都市部との情報格差という課題は解決されません。
今回の両社の実証試験の検討に関するMOUは、この通信課題に取り組みながら、アフリカを世界の食糧庫とする未来の計画に向けたパートナーシップとなります。
TUMIQUIのインフラ ✕ ワープスペースの通信
TUMIQUI JaponではTUMIQUI事業の電力と通信を、最先端の農業に活用することで、アフリカの経済を育んでいく長期的なビジョンを描いています。
ワープスペースの光地上局と衛星通信網を中心としたネットワークの構築は、アフリカ各地と日本とを高速通信で繋ぎ、安全なデータの運用を行うことや、アフリカ地域の衛星データから水源確保や農地開発の計画・実行を可能にします。
また、自動農機などの遠隔操作や、安定的な稼働を目指しながら、世界における競争力のある農業インフラの開発を推進する考えです。
特に昨今はウクライナ危機からはじまる食糧危機に世界が直面している背景もあり、アフリカが農業的に発展することで、世界の食料安定供給へとつながることが期待されます。
アフリカを包括的デジタル社会へ
また、アフリカは農業分野だけでなく、TUMIQUI事業でも取り組んできた、保健分野、教育分野においても同様の課題を抱えています。
これに対して、これまでの「TUMIQUI Smart Kit」 や「TUMIQUI Power Digital Solutions」に加えて、ワープスペースの構築する宇宙での通信網と人工衛星がデータを高速に地上へと伝送するネットワーク「WarpHub InterSat(ワープハブ・インターサット)」とを組み合わせることで、「電気と通信」「宇宙と地上」の組み合わせで、アフリカを包括的なデジタル社会へと発展させていく目標を掲げています。
このようなビジョンの実現に向け、両社はセネガルに光地上局を設置することを目指し、ワープスペースでは光地上局、TUMIQUI Japonでは現地法や特殊環境下での施工や運用のノウハウを互いに提供していくことを予定しています。
記事提供元:日本発アフリカスタートアップ x 日本の宇宙通信企業がMOUを締結|株式会社 シュークルキューブ ジャポンのプレスリリース|PRTIMES