国際協力機構(JICA)は、セネガル共和国と「ティエス州中核病院拡充計画」に対する無償資金協力を締結しました。
本プロジェクトは、NCDs診断・治療体制の強化を通じて、ユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)の実現とSDGs目標3の達成を目指します。
セネガルの医療課題とNCDsの増加
アフリカ西部に位置するセネガル共和国では、非感染性疾患(NCDs)の増加が大きな課題となっています。
特に糖尿病やがん、循環器疾患が増加し、NCDsはセネガルにおける死因の47.2%を占めています。
これに加え、新型コロナウイルス感染症における死亡者の97%がNCDsの併存疾患を持っていたことが確認され、NCDsの早期発見と治療の重要性が増しています。
また、セネガルの医療インフラは老朽化しており、病床数や医療機材が不足しています。
特にティエス州では、医療格差が顕著であり、高度な医療を提供する施設が不足している状況です。
JICAの無償資金協力とプロジェクトの詳細
2024年7月19日、JICAはセネガル政府と「ティエス州中核病院拡充計画」に関する無償資金協力の贈与契約を締結しました。
契約総額は37億2,400万円で、プロジェクトの実施期間は68ヵ月を予定しています。
プロジェクトでは、専門外来棟とMRI棟の新設、診断・治療に必要な機材の導入が行われます。
また、技術指導を通じて機材の運用・維持管理技術の向上も目指しています。
これにより、ティエス州地域中核病院の機能が拡充され、NCDs患者に対する高度な医療サービスの提供が可能となります。
UHC達成とSDGsへの貢献
本プロジェクトは、セネガル政府が掲げるユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)の達成に大きく寄与します。
また、SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」に貢献することを目指しています。
ティエス州地域中核病院の拡充により、NCDsを含む幅広い診断・治療サービスが提供されることで、地域の医療アクセスが向上します。
さらに、JICAのグローバルヘルス戦略に基づき、NCDsに対する診断・治療体制の強化が図られ、地域の保健システム全体の強靭化が進められます。
- 記事提供元:セネガル向け無償資金協力贈与契約の締結:地域中核病院の拡充を通し、UHC達成に貢献|JICA ニュースリリース