NPO法人クリーンオーシャンアンサンブルは、2024年9月3日、モザンビークのマプト市沖で海洋ごみ回収装置の実証実験を行いました。
この実験では、硬質プラスチックなどの回収に成功したものの、自然条件が装置の性能に影響を与えたことが確認されました。今後の課題を踏まえ、さらなる改良と再検証が行われる予定です。
回収装置の実証実験で確認された成果と課題
クリーンオーシャンアンサンブルは、モザンビーク共和国のマプト市沖において、海洋ごみ回収装置の実証実験を行いました。
この実験は、2024年9月3日に現地ボートクラブの協力を得て、海岸から約600メートル離れた地点で5時間にわたり実施されました。その結果、硬質プラスチック49g、発泡スチロール1g、自然物5gの合計55gのごみを回収することに成功しました。
回収量は少なかったものの、装置の有効性と潜在的な改善点が明らかになり、将来的な発展が期待されます。今回の実験を通じて、モザンビーク沿岸に漂流する海洋ごみの実態を確認する貴重なデータを得ることができました。
自然条件の影響と装置の改良課題
今回の実証実験では、自然条件が回収装置の動作に与える影響も明らかになりました。
実験当初、海は穏やかでしたが、午後になると風向きが変わり波が高くなったことにより、装置に取り付けられた網が海中で持ち上がる現象が確認されました。
この問題に対して、現地の協力者と共に議論した結果、設置した重りが地域特有の海流に対して十分な耐久性を持っていないことが原因であると推測されました。今後は、こうした環境に適した改良を進め、装置の自立機能や回収能力の向上を目指すことが課題とされています。
今後の展望と国際的な取り組みの重要性
クリーンオーシャンアンサンブルは、今回の実証実験で得られた知見を活かし、さらなる検証と装置の改良を進める方針です。特に、モザンビーク沿岸での再検証だけでなく、河川でのごみ回収など新たな応用にも取り組む予定です。
将来的には、モザンビークをはじめとする世界各国での装置の量産化を視野に入れており、海洋ごみ問題の解決に向けた国際的な取り組みを強化していく意向です。
また、海洋ごみ問題は漁業や観光業にも影響を与える深刻な問題であり、2050年には海洋中のプラスチックごみの重量が魚を上回ると予測されています。この問題に立ち向かうために、多くの人々の支援が不可欠です。
記事提供元:NPO法人クリーンオーシャンアンサンブル、モザンビークプロジェクトにおける海洋ごみ回収装置(1号機)の実証実験を実施しました|PR TIMES