ユニセフ、出世登録に関するレポートを発表!アフリカでの出生登録率は51%に留まる

ユニセフの新報告書は、出生登録の進展を報告しつつも、依然として1.5億人の子どもが未登録である現状を指摘しています。法的に存在を認められない子どもたちは、教育や保健サービスなどの基本的権利を享受できず、社会的にも排除されるリスクにさらされています。

本記事では、世界的な進展、地域ごとの格差、そして未登録児を減らすための課題と取り組みを紹介します。


ユニセフの支援により、ザンベジア州で出生登録を推進する取り組みが行われ、出生登録証を受け取った女の子(モザンビーク、2024年5月6日撮影)© UNICEF/UNI577144/Fauvrelle

世界的な出生登録の進展と現状

ユニセフによると、過去5年間で5歳未満児5億人以上が出生登録され、世界的な出生登録率は2019年の75%から77%に向上しました。この進展は、保健・教育システムの活用、登録のデジタル化、手続きの簡素化といった取り組みの成果です。

しかし、依然として1.5億人の子どもが未登録であり、特に5,000万人以上が出生証明書を持たない状況です。出生証明書は国籍取得や無国籍状態の回避に必要不可欠であり、子どもが基本的な権利を享受するための基盤となります。

また、出生登録は子どもの法的な身元を保証し、危害や搾取からの保護、予防接種や教育へのアクセスを可能にします。

ユニセフ事務局長キャサリン・ラッセルは、出生登録が「子どもたちの存在を認め、支援する重要な第一歩である」と述べ、世界中のすべての子どもが出生登録されることの重要性を強調しました。


東部州にあるビンディア村で、子どもの出生登録証を、地域で活動するコミュニティーワーカーから受け取る母親(カメルーン、2023年6月13日撮影)© UNICEF/UNI405838/Dejongh

地域ごとの課題とサハラ以南アフリカの現状

出生登録率は地域によって大きな差があり、中南米およびカリブ海地域では95%、東・東南アジアでは94%と高水準ですが、サハラ以南アフリカでは51%にとどまっています。

この地域では未登録の子どもの数が9,000万人に達し、世界の未登録児の半数以上を占めています。特に、東部および中部アフリカでは登録率が41%と低迷しており、改善が急務です。

一方で、南部アフリカでは88%と高い水準を維持しており、西部アフリカでは過去15年間で大きな進歩が見られています。

これらの成功事例は、出生登録に関する政策や社会的な取り組みの重要性を示しています。しかし、人口増加が予測されるサハラ以南アフリカでは、このままでは2030年以降に未登録児が1億人を超える可能性があると警告されています。


出生登録証を受け取ったシャネルちゃん。出産時に母親を亡くし、祖母たちに育てられている(グアテマラ、2019年10月17日撮影)© UNICEF/UNI235520/Willocq

未登録児解消に向けた課題とユニセフの提案

出生登録が進まない理由として、登録施設へのアクセスの困難さ、高額な登録費用、手続きの複雑さ、そしてジェンダーや宗教による差別などが挙げられます。こうした課題を克服するためには、政治的な取り組みの強化が求められます。

ユニセフは、出生登録の義務化、手続きの効率化とデジタル化、保健・教育システムとの連携強化、法制度改革、市民への啓発活動の5つの主要行動を提案しています。特に、出生時登録を義務付けるライフサイクル・アプローチは、子どもの権利を包括的に守るための重要な施策です。

ボツワナやコートジボワールなどでは、出生登録率が90%を超える進展が見られています。これらの成功事例は、他の国々にも適用可能なモデルとして注目されています。ユニセフは引き続き、すべての子どもが法的に存在を認められ、保護される社会を目指して取り組みを続けていきます。


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