エシカル・クリエイティブ・コレクティブ「SHIFT80」は、KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭のサテライトプログラム「KG+」に出展し、ケニア・ナイロビのキベラスラムに暮らす若者たちの生活を捉えた写真展「私たちの暮らしにようこそ。さあ、対話しましょう。」を開催します。
会場は京都大学吉田寮ビリヤード室、会期は2025年4月12日から4月20日までです。
本展示は「KG+ DISCOVERY Award 2025」のファイナリストにも選ばれており、写真を通じて遠く離れた人々の生活を知り、対話する機会を提供します。
写真展で伝えるキベラの創造的な暮らし
SHIFT80が主催する今回の写真展「私たちの暮らしにようこそ。さあ、対話しましょう。」は、ケニア・ナイロビの巨大スラム、キベラに暮らす若者たちのリアルな日常に焦点を当てた企画です。
スラムと聞くと、多くの人が「貧困」や「絶望」といった否定的なイメージを抱くかもしれません。
しかし実際には、キベラの若者たちは限られた資源の中で驚くほど創造的な暮らしを営んでおり、廃材を活用した住居の装飾や自らの手で作り出した生活空間には、豊かな色彩と工夫があふれています。
展示される写真は、そのような創意工夫とエネルギーに満ちた日々を切り取ったものです。会場となる京都大学吉田寮ビリヤード室もまた、歴史と混沌の象徴とも言える空間であり、キベラの風景がその中に浮かび上がることで、訪れる人々に深い没入感をもたらします。
SHIFT80は11年間にわたりキベラと連携した現地活動を続けてきており、今回の写真展はその信頼関係の賜物といえるでしょう。
写真を見るだけでは終わらない、被写体との対話の場
本展示の大きな特徴は、「写真を見るだけ」でなく「被写体と話すことができる」というユニークな仕掛けにあります。
来場者は展示された写真を鑑賞した後、その被写体となっている若者とオンラインで直接対話を行うことが可能です。
「あなたにとってこの部屋はどんな意味を持ちますか?」「キベラスラムで気に入っているところは?」などの問いを本人に向けることで、単なる鑑賞体験を超えた新たな学びや気づきを得ることができます。
このような仕組みを通じて、来場者とキベラの若者たちとの距離は一気に縮まり、互いのリアルな生活や価値観に触れ合うきっかけとなります。
写真が伝えるものに、本人の言葉が加わることで、作品はより深いメッセージ性を持ち、見る人の心に強く残る体験へと昇華されるのです。こうした対話の場を設けることにより、写真展は一方的な情報発信の場ではなく、双方向の理解と共感を育む空間として機能します。
トークイベントで深まるキベラの現実と希望
展示期間中の4月13日には、ケニア在住37年でマゴソスクールを主宰する早川千晶氏を迎えたトークイベントが開催されます。
13:00からは「絶望から希望を生み出す〜キベラスラムと共に歩んだ30年〜」と題し、早川氏の長年にわたる活動や、キベラで見出してきた希望の物語が語られます。
続く15:00からは、SHIFT80代表の坂田ミギー氏との対談「キベラスラムの生と死」~闇の中に際立つ光~が行われ、現地の厳しい現実と、それでもなお輝く人々の営みについて深く掘り下げていきます。
いずれのイベントも参加費はカンパ制で、参加者が自らの気持ちで金額を決めて支払う形式です。登壇者たちの経験と語りを通じて、写真展での体験がさらに広がりと深みを持つものになるでしょう。
展示概要
- 展示名:私たちの暮らしにようこそ。さあ、対話しましょう。Welcome to Our Lives. Let’s Engage in Dialogue.
- 会期:2025年4月12日(土)〜4月20日(日)11:00〜18:00
- 会場:京都大学吉田寮ビリヤード室(京都府京都市左京区吉田近衛町69)
- 詳細はこちら:https://shift80.jp/blogs/news/kyotographie2025
SHIFT80は「We are all Earthlings. Share the little you have.(すべての人はおなじ地球に暮らす仲間。わずかでも持ちうるものを分かち合おう)」という理念のもと、アートやファッションを通じて社会課題を伝え続けています。