日本のカカオ産業が児童労働撤廃に向けて前進!JICAが共創レポートを発表!

JICAが事務局を務める「開発途上国におけるサステイナブル・カカオ・プラットフォーム」は、児童労働撤廃に向けた日本企業や団体の具体的な取り組みをまとめた「共創レポート 2023/2024」を発表しました。

本レポートは、チョコレート業界における人権尊重とサプライチェーンの改善に貢献するものであり、持続可能なカカオ産業の実現を目指す上で重要な節目となっています。 

プラットフォーム発足と児童労働問題への対応

世界のチョコレートの原料であるカカオ豆は、主にアフリカ、中南米、アジアの開発途上国で生産されています。

しかし、多くの生産地域では、児童労働、貧困、森林破壊といった深刻な社会課題に直面しています。特に日本が多くのカカオ豆を輸入しているガーナでは、子どもの約5人に1人が児童労働に従事しているとされており、持続可能な調達と人権尊重が問われています。

こうした状況を受け、JICAは2020年に「開発途上国におけるサステイナブル・カカオ・プラットフォーム」を立ち上げました。このプラットフォームは、業界団体、食品メーカー、商社、NGO、コンサルティング企業など、73の企業・団体と148人の個人が参加する協働の場です。

児童労働の撤廃に向けた「セクター別アクション」を軸に、多様な関係者が連携しながら、カカオ産業の改善に取り組んでいます。

共創レポート2023/2024で明らかになった進捗

今回発表された「児童労働のないカカオ産業に向けた共創レポート2023/2024」では、セクター別アクションに賛同する17の企業・団体による取り組み状況がまとめられています。

中でも注目されるのは、認証原料やサステイナブル原料の調達比率が100%に達した企業が、前年の1社から3社に増加した点です。調達方針の変化が、サプライチェーン全体に波及していることがうかがえます。

そのほかにも、企業合同で進めるバイオ炭を活用した再生農業の支援、児童労働リスクのあるサプライチェーンへの対策、カカオ生産国での教育支援や学校環境の改善といった、地域密着型の活動が報告されています。

これらの取り組みは、人権デュー・ディリジェンス(人権尊重の責任ある企業行動)の一環として評価されており、今後の国際的な事例共有や政策形成にも寄与することが期待されています。

取材機会の提供と今後の期待

本レポートの発表に合わせて、JICAは4月21日に麹町オフィスにて、児童労働撤廃分科会および年次総会を開催し、メディア関係者に取材機会を提供する予定です。

児童労働撤廃に取り組む企業やプラットフォーム会員への直接取材が可能となっており、関心のある報道機関に対して情報発信の強化を図ります。

プラットフォームでは、今後も本レポートを参考に、企業の人権尊重に関する取り組みを促進していく方針です。

JICAとしても、ODA(政府開発援助)を通じて技術協力や資金協力を行い、150を超える国と地域で開発支援を展開しています。日本国内外のパートナーと連携し、持続可能で公平なサプライチェーンの実現に向けた取り組みを引き続き推進していきます。


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