NTN株式会社の欧州・アフリカ事業を担う子会社NTN EUROPE S.A.は、2025年5月19日付でチュニジアのショックアブソーバー製造企業La Tunisie Mecanique S.A.(LTM社)に資本参加したことを発表しました。
本件は、自動車アフターマーケット市場における販売拡大を目指すNTNグループの中期経営計画「DRIVE NTN100 Final」に基づく戦略の一環です。
今後は製品ラインアップの拡充と共に、設計や品質管理まで含めた一体的な取り組みで、欧州・アフリカを中心とした事業拡大を図ります。
欧州・アフリカの中核としてLTM社を活用
NTNグループでは、アフターマーケット事業の拡大を重点施策に掲げています。特に2024年以降は、NTN EUROPE内にアフターマーケットビジネスの本部機能を集約し、欧州・アフリカ地域での展開を加速させてきました。
今回資本参加したLTM社は、2010年に設立され、チュニジア・チュニスを拠点にショックアブソーバーの開発・製造・販売を行っている企業です。
今後、NTN EUROPEはLTM社を中核的な生産拠点として活用し、製品開発から生産、品質保証に至るまで密接に関与することで、より高品質な製品をタイムリーに市場へ供給する体制を構築していきます。
ショックアブソーバーで製品群の競争力を強化
NTNグループは、これまでコーナーモジュール商品(ドライブシャフト、アクスルベアリング、ストラットベアリングなど)で世界トップクラスのシェアを維持してきました。
これらと機能的な親和性が高いショックアブソーバーは、同社のアフターマーケット事業において製品ポートフォリオの重要な柱と位置付けられています。
LTM社との提携により、ショックアブソーバーの製品開発力を強化するだけでなく、ブランド認知や販売網拡充も図られる見通しです。
すでに高い技術力を有するLTM社と連携することで、アフターマーケットにおけるNTNブランドの信頼性と存在感が一層高まることが期待されます。
アフリカ市場を見据えた長期戦略としての出資
今回の資本参加により、LTM社の出資比率はMechatech Holding 55%、NTN EUROPE 35%、創業者家族や従業員など10%という構成となりました。
チュニジアはアフリカと欧州を結ぶ地政学的な要所であり、物流や製造拠点としての魅力も高まっています。
NTNグループはこの地理的優位性を活かし、アフリカ全域への製品供給体制を構築することを見据えています。今後も地域のパートナー企業との連携を深めながら、持続的な市場拡大とサプライチェーンの強靭化を進めていく方針です。
グローバルな事業戦略の一環として、LTM社との協業はNTNグループの成長における重要な布石となるでしょう。
- 記事提供元:LTM社に資本参加|NTN 広報ニュース